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そのおおきな希望の福音をあまねく世界に伝播するイメージ、強力な力を持ったイメージの具現化が、すなわちオリジナル・セブンであり、また島3号だった。「ポリスノーツ」の世界は、その「むかし、人類が宇宙にたいして持っていたユートピアへの切実な想い」を全編に投影して設計されている。なぜBEYONDは「BEYOND COAST」でなくてはならなかったのか。なぜその内部の気候がアメリカの西海岸をシミュレートしたものでなくてはならなかったのか。刑事もの、それもバディものの舞台だったら、やっぱりロサンゼルス(またはそれっぽい西海岸のどこか)というのがいちばんの理由ではあるだろう。しかしなぜ地球のロスは雪まで降っちゃううらぶれた別世界になり、宇宙のロスであるBEYONDはからっと晴れた「昔の西海岸」なのか。なぜダウンタウンがほとんど登場せず、トクガワ製薬もビヨンド病院(BCCH)も、郊外的なひらけた場所にあるのか。

英雄。サバービア。コロニー。
「ポリスノーツ」が描くのは、かつて(といっても、ついこの前のことだけど)ヒトが夢見たイメージを、現実に落としこんでいく姿だ。現実に落としこんでいった結果、それがボロボロと崩れていくさまだ。崩れた向こう側に見えるもの──それは、新たな倫理が、宇宙に適した倫理が要請される世界だ。それがどのような世界なのか、それは(まだゲームをやっていない人は)自分の目で確かめてほしい。










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