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そして、サバービアとはまた別のユートピアがある。それは、スペースコロニーという場所そのもののことだ。

我々ニッポンの若者(だけじゃない?)は、某機動戦士のおかげで、スペースコロニーといえばあのトイレットペーパーの芯に板を3枚くっつけた形を脊髄反射的に連想してしまうようになってしまった。え、スペースコロニーって、ほかにも形があるの?って人も多いだろう(ああガンダムの呪いよ)。いやいやいや、そこでガンダマな自分を責めることはありませんよ。欧米でも(ガンダムのせいではもちろんないけれど)スペースコロニー、っていやあの形なんだから。

ジェラルド・オニールが島3号コロニー構想を発表したのが74年、翌75年にはNASAも研究会議を開き、同じ年には宇宙植民をめざす市民団体が結成されるところまでいってしまう。その名も「L5協会」。ベトナムでの敗北、ウォーターゲート、無力感ただよう70年代アメリカ社会にとって、オニールのコロニーは、まさに宇宙に築かれたユートピアとして映っただろう。
L5協会にはSF作家として有名なあのアシモフほか、ドラッグ・カルチャーの導師ティモシー・リアリーも参加していた。挫折した(することになる)ヒッピーの夢をも、島3号は担っていた。地球にこれ以上ダメージを与えないよう、宇宙に移り住もう。そこにはテクノロジーによって築かれた巨大な空間の中に、溢れるような緑がつまっている・・・。かつて、スペースコロニーにはそんな希望が託されていた(いまよりも、たぶんもっと大きな希望が)。スペースコロニー、そして宇宙という場そのものに。







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