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核戦争の恐怖は、もちろんあった。人々の頭に、それは常に垂れ込める暗雲だった。けれど、そんな時代が「世紀末的」なムードだったのか、というとそうでもない。アメリカの生産性成長率を見ると、39年〜49年はそれ以前の10年間にくらべ1パーセント上昇の2.5パー、その次の10年間は3.0ちょいとさらにアップし、59〜69年は2.5パー、戦後アメリカの生産率は60年代後半までぐんぐん伸びていた。第二次世界大戦後のインフレも落ち着き、経済的には「黄金の60年代」とも呼ばれることがある。そのあとのアメリカはベトナムの泥沼に突入してゆき、生産率成長もガタ落ち、80年代なかば、レーガン時代まではインフレ率もアップし続ける。アメリカ経済は低空飛行モードに入り、70年以降の20年間は、生産性成長が20世紀最低だった。90年代に上向きになったものの、50年代や60年代の成長に比べるとかなりいまひとつ。70年代以降のアメリカは、そこそこの低い経済成長に慣れっこになった、ポール・クルーグマンいうところの「期待しない時代」に入ってゆく。
60年代というのは、消費を中心にした幸福な生活モデルの最後の時代だったといえるかもしれない。

幸福な時代の、最後の英雄たち。ポリスノーツたちが、クラシックな英雄たちのイメージだとするなら、彼らが礎を築き上げたスペースコロニーもまた、クラシックな幸福のイメージに満ちた場所であるはずだ。











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