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【芸能・社会】大島渚さん最後のメッセージ 通夜礼状にお気に入りの詩2013年1月22日 紙面から
15日に肺炎のため80歳で亡くなった映画監督、大島渚さんの通夜が21日、東京都中央区の築地本願寺でしめやかに行われた。生前親交のあった女優山本富士子(81)、朝丘雪路(77)、神田うの(37)ら約800人が参列した。 祭壇には1990年に自宅で撮影された遺影が飾られ、口を真一文字に結び、きりっとした表情が印象的。遺族と大島渚プロダクションの関係者で相談し決めたという。 遺影の周りに5000本の白菊、300本のコチョウランが飾られた。祭壇は大島さんの映画「儀式」(1971年公開)をイメージし、白を基調としたデザインだ。 棺の中には、大島さんのお気に入りのマフラー、「御法度」(99年公開)の撮影時にかぶっていた帽子、妻で女優の小山明子(77)が愛用していたセーター、大島さんが亡くなった後、小山と息子2人で折った折り鶴などが入れられた。折り鶴には、小山の「パパと一緒で幸せでした」というメッセージが書かれていた。 本堂の内と外それぞれに設置されたモニターには、代表作「戦場のメリークリスマス」(83年公開)が流されていた。戒名は「大喝無量居士(だいかつむりょうこじ)」。測ることができない解放された大きな「喝」という意味だという。 弔問客に渡されたお礼状には、歌人・明石海人の詩で、大島さんが好きだった「深海に生きる魚族のように自ら燃えなければ何処にも光はない」との言葉が添えられていた。 葬儀・告別式は22日午前11時から同所で行われる。喪主は小山、葬儀委員長は映画監督の崔洋一氏(63)。松竹の大谷信義会長(67)やジャーナリストの田原総一朗氏(78)、「戦場のメリークリスマス」に出演した坂本龍一(61)らが弔辞を読む予定だ。 ◆たけし「もっと前に感謝しなければ」参列したビートたけし(66)は、「戦場のメリークリスマス」に出演し、後に自らも北野武として映画監督の才能を発揮することになった。当時の思い出を問われると「大島監督はすぐ怒るから、坂本龍一さんと一緒に出るときに『もし怒鳴ったら帰る』って言ったら、相手役ばっかり怒鳴られてた。だから『オイラも怒鳴っていいよ』って言いました」と懐かしんだ。 第36回カンヌ国際映画祭にも出品され、フランスに出かけた際は大半の人から「(役名の)ハラ」と呼ばれたという。海外への懸け橋を築いた偉大な恩人に対し、たけしは「ありがたかった。もっと前に感謝しないといけなかった」と悔やんだ。 大島作品の魅力については「黒沢明監督のような大河ドラマのようなものも描くし、強烈に問題作にも切り込んでいく。やっぱりすごいっていうか、問題児だからね。よくあれだけ問題起こして日本の映画を引っ張ったなと思う」と評した。 大島流メガホンは、自身の作品にも影響を与えた。「『寄りの絵(ズームアップ)を多用するヤツは下手だ』とおっしゃってまして。その影響か、(自分は)16本も撮っているのになかなか寄りの絵を撮っていないんです」 最後に「大島さんの映画はいろんなエンターテインメントを目指す人には必見。ぜひ見て勉強してほしい」と呼び掛けた上で、「そのうち俺も(天国)行くので、また向こうで怒鳴ってください」と照れ笑いした。 【主な参列者】 崔洋一監督、阪本順治監督、山田洋次監督、篠田正浩監督、ビートたけし、山本富士子、神田うの、朝丘雪路、武田真治、吉行和子、高橋伴明監督・高橋惠子夫妻、松尾貴史 (順不同) PR情報
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