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【グラニュース】


グラ、魅力あるスタジアム作り

2013年1月22日 紙面から

 昨年12月20日、名古屋グランパスの福島義広副社長(62)は、名古屋市立大とともに取り組んできた「学生によるグランパスの研究」の発表会で、今季のリーグ戦平均観客動員2万人という目標を公言した。これは、優勝した2010年とほぼ同じ数字。昨季はリーグ戦平均1万7155人と苦しんだが、約3000人増に向けた取り組みについて本紙の取材に答えた。

 入倉名古屋副市長ら市幹部の前で、福島副社長の言葉は力強かった。「来場者数はグランパスはまだまだ中位。来年、もう一度2万人を目標に取り組みたい」。クラブトップのマニフェスト発表。ただ、容易ではない平均3000人増に向け、どのようなビジョンを描いているのだろうか。

 昨今の不況下での重要な要素の一つが入場料金だ。グランパスは最高額6500円、最低額2000円と、鹿島についでリーグ2番目に高い水準。ただ福島副社長は「私の知る限り、チケット代を下げて観客数が増えたところはどこにもない。関西のクラブも成功していない。一度値下げしたら、元には戻せない」と安易な値下げを否定した。そのうえで、「価格に追いつく魅力あるスタジアムづくりや、さまざまな需要に対応する選択肢を増やすこと、途中退場しても戻れるようにするなど、ニーズに合わせてやれることをやりたい」と柔軟な姿勢を強調した。

 今季は平均観客数約2万5000人の豊田スタジアムでのリーグ戦開催を1試合増やし、豊田10試合、瑞穂陸上競技場7試合となる。これにより一定の平均観客数増は見込めるが、『名古屋グランパス』である以上、豊田開催を増やすことには限度がある。

 また、昨季は浦和、FC東京、磐田などアウェー観客が見込める好カードが瑞穂開催に偏った。ただ、クラブ幹部によると、他競技やイベント利用との調整、芝生の養生期間などの必要性から、対戦カードに合わせた豊田と瑞穂の振り分けは、現状ではできないという。

 観客動員には多くの問題を内包しているが、福島副社長は「2週間に1回しかないホームゲームは、ヨーロッパでは地域のお祭りとなる。めざすところはマンUやバルセロナ。土曜日はグランパスを見に行こうという動き、雰囲気をつくりたい」と語った。もちろん観客動員を左右する最大の要素はピッチ内の成績と内容。ただ、高い目標に向けた着実な歩みが、目に見える1年となるか。今季はクラブの取り組みにも注目だ。 (宮崎厚志)

 

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