安倍新内閣:「危機突破内閣」と位置付け発足
毎日新聞 2012年12月26日 20時25分(最終更新 12月26日 21時04分)
第182特別国会が26日召集され、自民党の安倍晋三総裁(58)が衆参両院本会議での首相指名選挙の結果、第96代首相に選出された。安倍氏は直ちに組閣に着手し、同日夜、皇居での首相任命式と閣僚の認証式を経て、公明党との連立による第2次安倍内閣が発足した。安倍氏は新政権を「危機突破内閣」と位置付け、デフレ脱却と経済再生に最優先で取り組む。来夏の参院選で勝利して衆参の「ねじれ」を解消し、本格政権を目指す構えだ。【野口武則】
閣僚人事では、盟友の麻生太郎元首相(72)を副総理兼財務・金融担当相に、甘利明氏(63)を新設の経済再生担当相に起用。茂木敏充氏(57)を経済産業相に充てた。3氏はいずれも自民党政調会長経験者で、「経済シフト」が鮮明になった。
また、9月の党総裁選への立候補を断念した谷垣禎一前総裁(67)を法相に起用。総裁選で争った石原伸晃前幹事長(55)を環境相兼原子力防災担当相、林芳正元防衛相(51)を農相でそれぞれ処遇し、「挙党一致」を演出した。安倍氏が重視する外交・安全保障分野では、岸田文雄元沖縄・北方担当相(55)を外相、小野寺五典元副外相(52)を防衛相に充てた。
18人の閣僚のうち初入閣は、小野寺氏▽新藤義孝総務相(54)▽下村博文文部科学相(58)▽田村憲久厚生労働相(48)▽太田昭宏国土交通相(67)▽根本匠復興相兼原発事故再生担当相(61)▽古屋圭司国家公安委員長(60)▽山本一太沖縄・北方担当相(54)▽森雅子少子化担当相(48)▽稲田朋美行政改革担当相(53)−−の計10人で、清新さをアピール。古屋氏は、自公両党が重要政策と位置付ける「国土強靱(きょうじん)化」担当も兼務する。
安倍氏は26日午前、国会内で記者団に「今日の空のようなさわやかな気持ちでこの日を迎えた。前回の挫折を含めて政権を担った経験を生かして、安定感のある政権運営をしていきたい」と語った。
首相指名選挙は、衆院(投票総数478票)では安倍氏が328票を獲得。参院(同234)は1回目の投票で安倍氏107票、民主党の海江田万里代表87票といずれも過半数を超えず、決選投票に持ち込まれた。上位2人による決選投票の結果、安倍氏が107票、海江田氏が96票、無効・白票31で、安倍氏が指名された。