【志田修二】岩手県釜石市のJR釜石線小佐野駅―松倉駅間で、21日午後2時半ごろ、野生のシカが線路内で倒れているのを、釜石発盛岡行き快速はまゆり6号(3両編成)の運転士が発見し、急停止した。シカはけがをしていた。保線職員が駆け付けて移動するまで、乗客は44分、見守った。
乗務員が確認したところ、手負いのシカで危険なため、6キロ離れたJR釜石保線技術センターに応援を求め、数人がかりで線路脇に移動した。この騒ぎで、列車は現場に約40分停車し、運転を再開。乗客約90人に影響した。
JR東日本盛岡支社によると、シカが絡む列車の事故は管内で年間10件以上は発生しているという。今回の事故については「ぶつかったという報告がないので、シカがなぜケガをしたのかは不明」としている。
ケガをしたシカはその現場に置かれたまま。盛岡支社は、「シカとの衝突事故は結構頻繁に起きているので特に保護などの手当てはしていません」としている。