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アメリカの捕鯨船が日本近海でセミクジラを大量に捕鯨したという、具体的な史料は...
アメリカの捕鯨船が日本近海でセミクジラを大量に捕鯨したという、具体的な史料は存在するのでしょうか。
マッコウクジラを対象にした捕鯨に関しては、具体的な史料が多数存在し、記録も容易に出てくるのですが。
オホーツク海や北極に近い海域で、セミクジラを捕っていたという話はなくもないのですが、そもそもセミクジラ自体が沿岸凄のクジラであり、その海域での捕鯨が本州以南に影響する事は、まずないと考えられます。
また、マッコウクジラと比較して値打ちが低いセミクジラの油を数年もかかる航行の捕鯨でわざわざ捕るものなのか、セミクジラの油はマッコウと異なり、食用にも供せられるのですが、これを数年かける捕鯨で捕るのも理不尽です。
ただし、ランプの油に使うという話も有り、鯨髭の需要もあるので、それを考えるとなんですが。
兎に角、マッコウクジラの捕鯨ではジャパングラウンドなるエリアまで出てくるのに、日本近海でのセミクジラ捕鯨に関しては茫洋とした情報しかでてきません。
日本の漁師がそう主張したというような憶測や、推測ではなく、欧米サイドのソースが存在する情報をお願いします。
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- 質問日時:
- 2011/8/26 04:58:19
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- 解決日時:
- 2011/9/9 16:19:13
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出所が怪しいネットのソースでテキトーなこと言ってる人がいますが、私がきちんと書籍から引用してあげましょう。
アメリカ人のアレクサンダー・スターバックによる1878年に出版された『アメリカ捕鯨産業史』という1804年から1876年の捕鯨や鯨産品生産の統計をまとめた本によると、この72年間に控えめに見てもマッコウクジラを22万頭、セミクジラを19万(1.9万ではなく十九万です)、を捕っていたそうです。
(森田勝昭著『鯨と捕鯨の文化史』p98)
スターバックによると、1820年代にはジャパングラウンドがアメリカの捕鯨船団に発見され、この頃から日本近海に捕鯨船が出向いていましたが、1830年代初めにはまだ捕鯨出港の半分以上が大西洋に向かっていたそうです。
ジャパングラウンドについては、1840年代になると100隻が出港していたそうです。
(ちなみに1939年の出港数は太平洋130隻・大西洋85隻・インド洋34隻)
1842年からはアメリカの全出港数(250)の半分以上が北米西岸のセミクジラ漁に集中しますが、
1850年にはゼロ
です。これは何を意味してるんでしょうね。
ちなみにペリーの来航は1853年です。
1850年代になると、今度はベーリング海でセミクジラ・ホッキョククジラ捕鯨に集中しますが、ここも10年ぐらいで捕り尽くしてしまいます。
ここからアメリカの捕鯨船団は再び太平洋西方に進出していくことになります。
>アメリカの捕鯨船が日本近海でセミクジラを大量に捕鯨したという、具体的な史料は存在するのでしょうか。
同書p97に挙げられているスターバックの分析に基づいたグラフによると、北米西岸・ベーリング海で捕り尽くした1860年代でも、常にマッコウ以外の鯨油はマッコウクジラから取れるそれを上回っています。
以下は森田氏の論考。
「グラフ5はマッコウ油と鯨油産出量を比較したものだが、一貫してセミ鯨を中心として鯨油生産高が上回っている。捕獲頭数でセミ鯨はマッコウ鯨に劣るものの、一頭当たりの産油漁が大きいのが原因である」(同書p97)
「19世紀半ばになると、新捕鯨場に捕鯨船団が一斉に集中すること、資源枯渇までその利用が続けられることなどが特徴である。アメリカ式帆船捕鯨は資源の枯渇まで拡張することが数値からはっきり読み取れる」(同書p95)
ようするにアメリカは黒人奴隷による綿花栽培とクジラを絶滅に追い込む捕鯨によって資本を蓄えて世界一の工業国になるのに成功したということです。
>日本近海でのセミクジラ捕鯨に関しては茫洋とした情報しかでてきません。
ジョン万次郎が救われたのは捕鯨船じゃなかったですか? かなり日本の近くまで捕鯨船が来ていたようですね。
また逆にsouthernrightwhale_partyさんの仰るようにクジラは回遊性を持つものですから、セミクジラは必ずしも沿岸ばかりにいるものでありません。
江戸時代の日本漁民の航海能力はせいぜい陸から数キロというところです。日本近海のセミクジラを捕り尽くすことなど不可能です。
一方で日本の漁民がセミクジラがほとんど捕れなくなったのも江戸時代の終わりごろでしたね。
誰が減らしたのでしょうか? もしかしたらセミクジラの集団自殺でもあったのかな?
>セミクジラの油はマッコウと異なり、食用にも供せられるのですが、これを数年かける捕鯨で捕るのも理不尽です。
マッコウクジラの脳油が機械油として高く評価されたのは、20世紀になってからでしょう。
当時は灯油とか石鹸が利用の中心でしたから質は関係ないと思います。
(これについてはもう少し研究して見ます)
もちろんセミクジラを捕り尽したのは日本の責任がないとは言いませんし、日本近海のミンククジラをを捕り尽したのも日本人ですが、同じくホッキョククジラを捕り尽くしたアメリカがIWC科学委員会の警告を無視して今も捕り続けるのには恐れ入ります。
またそれに賛同しながら日本の捕鯨には反対する日本人がいますが、本当にこいつら何なんでしょうね。
さんざんクロミンクについて言ってる予防原則はどこに行ったんでしょうね?
最後には歪曲に満ちたお友達にBAですね(嘲)
- 編集日時:2011/8/29 01:46:54
- 回答日時:2011/8/29 01:43:44
下が全て網羅する他、Wikipediaの英語記事も詳しいです。
http://www.sfcelticmusic.com/js/RTWHALES/sciliterature.htm
>>米国の捕鯨船が日本近海で・・・具体的な史料はありますか
(Scarff,1991,484頁)Maury's Chart に良く記録が残されています。日本海での米国船の記録では本州沿岸で休息する多数のセミ鯨を発見・捕獲し、宗谷海峡でも数多く見たとしています。
>>オホーツク海や北極海で・・・セミ鯨自体が沿岸性であり・・・本州以南に影響する事はないと考えられます
最近、ホッキョククジラとニホンセミクジラ(学名 Eubalaena Japonica の直訳呼称)のハイブリッドの発見報告がありましたが、本来は回遊時期等の影響で両種は隔絶されていました。本種の通常の北限は、西はオホーツク海から東はベーリング海で、北極にまでは回遊しません。多くの大型鯨は南北の回遊をします。 地理的考察・捕鯨記録・最近の目撃記録からして、採餌海域はオホーツクやカムチャッカ沖で間違いないとされるので、基本はオホーツクで捕獲された=日本近海のセミ鯨と云う事になります。
セミ鯨が必ずしも沿岸性である訳でもありません。此までニホンセミクジラの集中した繁殖地や越冬海域がどこに存在したのか判明せず、海外の学者も大いに悩まされてきました。Maury's Chart でも親子が沿岸で集中して見つかったかは不明瞭で、米南部沿岸での捕獲が数少ない事から、本種は他の2亜種と違い沖合性が強かったのではとしています。しかし近年の目撃は、北米も日本も多くが沿岸部での確認なので、生息環境の変化なのか、かつて存在した沿岸個体群が集中して減少した結果なのかは不明です。また、本種が特別沖合性という訳でもなく、沿岸のウォッチングで人気の2亜種に関しても遠洋捕獲が多数あります。http://www.infonews.co.nz/photos/300-Right%20Whales.jpg
デューク大学が北大西洋の亜種の生息環境(水温、海底地形、海流)と比較し算出した、ニホンセミクジラの子育ての海域を予測した資料が存在します。http://doc.nprb.org/web/07_prjs/718_final%20report.pdf 北西ハワイ沖に集中する他、上海沖から福建省・香港周辺を経て海南島やベトナムのトンキン湾周辺が冬場の棲息に適していたとし、 韓国南部や日本(九州西部、鹿児島湾、土佐湾、宇和海・大分沖、瀬戸内海、壱岐、対馬、奄美・沖縄、相模湾、九十九里)なども挙げられています。Mauryによるとアジアの南方海域での捕獲が集中するのは上海沖であり、南中国や海南島周辺(Wan)での記録も複数あります。その他の南方海域では伊豆諸島(現在でも目撃記録複数あり)、小笠原諸島(90年代に三件四頭の目撃記録)、台湾、奄美~琉球列島(90年代以降数例の目撃記録)が挙げられます。
しかしこれは所詮外国の捕獲記録です。他海域のセミ鯨は冬沿岸に回遊してくる際、自分が育った湾や海域を好んで戻る傾向がある事が確認されています。http://wildlife.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-490c.html 水温の適応範囲も広く、亜南極諸島を主な越冬地とする個体群も存在します。過去にセミが日本沿岸で越冬・子育てしていた可能性は十二分にあるのですが、如何せん記録に乏しいのが実情です。人間活動を避けるために元々沿岸性だったのが沖合性に移行する事も南米での観察により判明しています。つまり、古式捕鯨で影響を受けた沿岸個体群が沖合性に移行した後に近代捕鯨(米国主体とは断定していません)で捕獲された可能性はあるでしょう。
・(ソ連)30年代のモラトリアムを無視、60~70年代に世界中で大量違法の捕鯨。多くの個体群の激減を招き、アラスカのセミや南極のシロナガスなどの個体群を回復不能にまで追い込んだ(セミ:オホーツク250頭以上、アラスカ300頭以上)(Brownell, 2001)。
・(日本)モラトリアムを無視、数々の海賊捕鯨の他、厚岸沖での捕獲を始め、調査捕鯨&沿岸捕鯨など記録されている件のみでも相当数のセミ捕鯨が70年代まで続いた(Brownell,環境省)。
・(ソ&日)共謀関係を結び、IWCでの情報隠蔽・自国の学者達への圧力を仕掛け、全資料を葬った。ソ連の学者が秘密裏に保持した資料が崩壊数十年後に公開された為に判明http://www.afsc.noaa.gov/Quarterly/jas2006/divrptsNMML1.htm
・沿岸手こぎボート捕鯨のみでも個体群の壊滅は可能(NZの例)※青海捕鯨の自滅
・米国の介入以前にセミの地方個体群へのダメージは深刻だった(青海、山口、南紀・土佐の記録)
・古式捕鯨の特徴の子持ち狙いは個体群や回遊経路破壊に極めて効果的+明治より銃砲使用も
・(中&韓)かなり少数の捕獲。韓国の資源や港湾を利用した日本捕鯨がほとんどだった(例:日本海でのコク捕鯨)
・(米)日本海ではセミ捕獲が多いが太平洋ではマッコウ主体
上記の項目を考慮すると、ニホンセミクジラ減少の原因は日米露の共犯説が濃厚です。
- 編集日時:2011/9/2 04:33:54
- 回答日時:2011/8/26 21:10:17
日本沿岸のセミクジラが減少したのは
aplzsiaさんによれば「アメリカ犯人」説と「日本アメリカ共犯(相乗効果)」説があるようです。
↓
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1834578&tid=a...
最初にアメリカ式捕鯨単一原因論を説いたのが大村さんの1986年の論文、
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1834578&tid=a...
最新の査読学術論文が2004年のIWC科学委員会ジャーナル論文です。
2004年の査読論文に対してそれ以後反論が出ていないのだから、
現段階で最良の知見は「米国式帆船捕鯨と日本沿岸捕鯨で相乗的に枯渇させ
1960年代旧ソ連違法捕鯨で回復が大幅に遅れている」というのが北太平洋
セミクジラについて裁判官も認めなければいけない一応の事実、というのが
制度的に正しいものの言い方でしょうね。
REP. INT. WHAL. COMMN (SPECIAL ISSUE 10) 35 <1986年>
History of Right Whale Catches in the Waters around Japan
HIDEO OMURA
Whales Research Institute, 3-32- 11, Ojima, Koto-Ku, 136, Japan
日本周辺でのセミクジラ捕獲の歴史
大村秀雄 鯨類研究所
19世紀の網捕り捕鯨では、世紀前半にふたつの個体群からそれぞれ
年間約50頭のセミクジラが獲られていたと推定されているが、19世紀後半
には次第に減少した。
これは日本海、オホーツク海からクリール(千島)列島東方、東経170°
に至る海域で操業していた米国式捕鯨船に起因するものと考えられている。
======2004年の反論======
J. CETACEAN RES. MANAGE. 6(1):1-6, 2004
Distribution of North Pacific right whales (Eubalaena japonica)
as shown by 19th and 20t|o century whaling catch and sighting
records
PHILLIP J. CLAPHAM, CAROLINE GOOD, SARA E. QUlNN, RANDALL R. REEVES,
JAMES E. SCARPP AND ROBERT L. BROWNELL, JR.
This may be a rather simplistic interpretation; presumably
the demise of the right whale in the Sea of Japan was due to
a combination of Yankee and coastal whaling, with 20th
century recovery inhibited to an unknown extent by illegal
Soviet catches on the feeding grounds in the Okhotsk Sea.
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http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1834578&tid=a...
彼らの言う「ジャパングラウンド」というのではマッコウしか捕ってない。
1840頃になるともっと北方のセミクジラへ関心が高まるけど~1848年に
ベーリング海でホッキョククジラの大漁場が発見されるとセミクジラへの
関心は急速に低下する。
米国式捕鯨が日本周辺に関心を持ったのはほんのわずかな期間なんだね。
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北太平洋は全域で1万5244頭だから、日本の沿岸捕鯨年間100弱より希薄だよ。
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1834578&tid=a...
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1834578&tid=a...
江戸時代の日本だってセミクジラだけで年間100頭近く捕ってたんだから、
ペースとしては100年間に1万頭弱(ソース、大村論文1986)。
アメリカ式帆船捕鯨が北太平洋全域に広がって100年間に1万5244頭捕った
というのより密度としては濃いな。
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http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1834578&tid=a...
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1834578&tid=a...
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1834578&tid=a...
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1834578&tid=a...
- 回答日時:2011/8/26 12:40:52
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