尾崎紀世彦さんを悼んで「キーヨ特集」をお送りしています。
前回は「知る人ぞ知る」デビュー曲を取り上げたけど、
今回からは【KAT-TEN】らしくセールス実績をご紹介。
ちなみにキーヨは13枚のシングルをヒットチャートに送りこんでいます。
うち9曲が筒美京平氏(作曲)、
7曲が阿久悠氏(作詞)の手によるもの。
2人が手を組んだシングルA面は6曲にのぼります。
言うまでもなく、
ともに作詞家・作曲家のトップに君臨する大御所。
しかしこのヒットメーカー・コンビが
シングルA面を5曲以上書き下ろした歌手は
キーヨと岩崎宏美(10曲)しかいないんですね。
意外でしょう?
あとは野口五郎に4曲、
大橋純子・桜田淳子・石野真子に2曲ずつ。
こうして見ると歌唱力に秀でた歌手が多い。
その筆頭格がキーヨ。
歌謡界きっての実力派だからこそ
大御所たちの作家魂を刺激したのだろうし、
その2人が持てる才能をぶつけ合ったからこそ
後世に遺る名作群が生まれたのでしょう。
ということで。
そろそろランキングの発表にまいりましょう。
<緊急追悼特集>
尾崎紀世彦シングルセールスベストテン
まずは第10位から~カウントダウン!
10位 かがやける愛の日に(73年6月発売/最高57位/2.1万枚)
作詞:阿久悠 作曲:筒美京平 編曲:葵まさひこ
その阿久×筒美コンビによる壮大なバラード。
ジャケットにもあるように
「第2回東京音楽祭」で銀賞を受賞しています。
当時の東京音楽祭は世界の実力派が集まる国際的なコンクール。
キーヨは第1回でも3位に入賞するなど、この音楽祭の常連でありました。
編曲の葵まさひこ氏はハニー・ナイツのリーダーですね。
では95年の歌唱映像をどうぞ。
後半は72年のヒット曲「こころの炎燃やしただけで」を披露しています。
9位 マイ・ベター・ライフ(79年10月発売/最高48位/4.5万枚)
作詞:山川啓介 作曲・編曲:大野雄二
キーヨにとっておよそ6年ぶりのヒットとなった
ハートフルなラブソング。
それまでともすれば熱唱型と捉えられがちだったけど、
肩の力を抜いた歌唱で新境地を開拓。
三菱「ビーバーエアコン」のCMソングでもありましたね。
8位 サマー・ラブ(87年3月発売/最高34位/5.0万枚)
作詞:なかにし礼 作曲:井上大輔 編曲:井上大輔、前田憲男
9位の「マイ・ベター・ライフ」以来、
7年半ぶりのチャート入りを果たした作品。
80年代は「明るさ・軽さ・優しさ」が持てはやされたので、
タキシードを着て汗びっしょりで熱唱するキーヨのスタイルは
「時代おくれ」と見られることもあったけど、そこはやはり実力派。
ジャンボ尾崎と青木功のツートップの共演が話題を呼んだ
このCMで火が付き、久々のロングセラーとなりました。
いや~、懐かしいなぁ。
こちらはデビュー25年のときの映像。
最後のロングトーンは圧巻ですね。
7位 しのび逢い(73年2月発売/最高30位/9.0万枚)
作詞:阿久悠 作曲・編曲:筒美京平
本作も阿久×筒美作品。
但し、このあたり(73年)からセールスは下降線をたどります。
アレンジは京平先生が前年に手がけた
欧陽菲菲の「夜汽車」風ですね。
6位 あなたに賭ける(72年10月発売/最高16位/10.7万枚)
作詞:阿久悠 作曲・編曲:筒美京平
このジャケット、カッコいいですよねぇ。
まるでイタリアの映画俳優!
本作も阿久×筒美コンビによる8thシングル。
当時、世界を席巻していた
フィリー・サウンドをまぶしたR&B歌謡に仕上がっています。
こういう曲はキーヨの真骨頂ですね。
いかがでしたでしょうか?
聴けば聴くほど惜しい歌手を亡くしましたよね・・・合掌。
次回は上位5曲の発表です!
※本日紹介した作品はいずれもこのベスト盤に収録されています。
尾崎紀世彦 『ザ・プレミアムベスト』