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政治
【アルジェリア人質事件】「死亡」情報に衝撃 政府、情報収集に課題残す
正確な情報をつかめなかったことで、危機対応を指揮する安倍首相の行動も後手に回った。首相はタイ訪問中だった17日夜、アルジェリア首脳との電話会談を調整するよう事務方に指示。人命優先の対応を働きかけようとしたが、会談が実現したのはアルジェリア軍による武装勢力への攻撃が始まった後だった。首相はセラル氏に「人質を危険にさらす行動は厳に控えてほしい」と抗議したが、遅きに失した感は否めない。
正確な情報が不足する中、業を煮やした首相は18日朝、タイからインドネシアに向かう政府専用機の中で外遊日程を短縮し、帰国を早める決断を下した。
首相が情報収集のために頼りにしたのが、アフリカ諸国に強い影響力を持つ英国だ。今回の事件の舞台となった天然ガス関連施設が、英メジャー(国際石油資本)BPの運営という点も考慮した。首相はタイ滞在中に続き19日夕にもキャメロン英首相と電話会談。2度目の会談後には、記者団に「邦人の安否の最新情報に関してキャメロン首相から話があった」と沈痛な表情で語っている。
「危機」の際の情報収集の難しさを浮き彫りにした今回の事件。だが、今後想定される生存者の安全な帰還でも課題は残る。
自衛隊は自衛隊法で安全が確保されている場合以外、在外邦人の輸送を行えず、陸路での輸送も任務として認めていない。現状では首都アルジェまでの輸送を他国に頼らざるを得ない可能性がある。
「単なる輸送ではなく、邦人救出まで行うことができるよう法改正が必要だ」
自民党の石破茂幹事長は20日の記者会見で、邦人保護のあり方を見直す自衛隊法改正を次期国会で行う必要性に言及した。
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