橋下市長の全教員異動要請に保護者ら反発…桜宮高バスケ部主将自殺

　大阪市立桜宮高バスケットボール部の男子生徒が体罰を受けた翌日に自殺した問題で、橋下徹大阪市長（４３）が桜宮高体育系学科の入試の中止や全教員の異動を要請していることについて、桜宮高以外の府内高校バスケ部員の一部保護者から批判的な声が上がっていることが２０日、分かった。入試を中止するかについて市教育委員会臨時会議は２１日に最終判断する。

　桜宮高が出場を辞退した大阪府内の新人大会が２０日、市内で行われた。観戦に訪れていた４０代女性の保護者は、全教員の異動要請に対して「強豪校の顧問の指導を受けたくて入学してくる子もいる。そういった先生が異動してしまえば、一番かわいそうなのは子どもたちだ」と懸念。そのほか橋下市長の姿勢に疑問を呈する声が相次いだ。

　別の４０代女性の保護者は「このような状況では、ちょっとしたことでも体罰と言われてしまうのでは」と不安げ。体罰問題がクローズアップされることで指導する側が心理的に萎縮し、必要なコーチングが受けにくくなるといった影響を指摘した。

　市教委にも橋下市長の方針に反対する市民の意見が寄せられており、２１日の臨時会議で入試中止回避を決定したいのが本音。だが、橋下市長はすでに教職員給与などの人件費予算の執行停止に言及しているうえ、２１日午前には桜宮高を訪問し、入試中止の必要性などを在校生に説明することも２０日、明らかになった。臨時会議の判断が橋下市長を満足させる内容でなければ、さらなる混乱が生じる可能性があるだけに、市教委は難しい判断を迫られそうだ。

（2013年1月21日06時02分  スポーツ報知）

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