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避難者に配布のタブレット端末、高齢者敬遠 飯舘村

高橋さん方でタブレット型端末は全く使用されず、インテリアと化している=福島市松川

 福島県飯舘村が福島第1原発事故で避難する村民に情報提供の目的で配ったタブレット型通信端末の使用率が伸び悩んでいる。お年寄りが使いこなせずに敬遠しているのが理由で、宝の持ち腐れになっている。

 「もらったばかりの時はいろいろ触ったが、操作法が難しく、だんだん手が伸びなくなった」
 飯舘村から福島市の仮設住宅に避難する無職高橋初子さん(70)。端末は部屋で鉢植えと並んで収納台の上に置かれ、インテリアと化している。「テレビと携帯電話があれば生活には困らないので今は使っていない」と話す。
 端末は2012年7月、県内外に避難した村民への情報提供や村民同士の交流促進を目的に、約1億2000万円をかけて全世帯に計約2300台を配った。インターネットで役場情報を配信したり、村民同士がテレビ電話で通話したりする。
 村によると、同年12月の1カ月間に1回でも電源が入れられた端末は約1570台で、残り約730台は1度も使われなかった。使用実績のある1570台の中でも日常的に使われているのは約800台にとどまる。
 村の話では、苦手意識が強くて使いこなせない高齢者が多いという。中には「使い方が分からないので返す」と返品した人も数人いた。
 村総務課は「導入時に使用説明会を開いたが、操作には慣れが必要。時間をかけて浸透を図りたい」と話している。


2013年01月20日日曜日


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