サブカテゴリー

PR:

アルジェリア人質事件 日本人9人殺害の報道、政府、日揮は未確認

アルジェリア人質事件 説明する安倍首相
アルジェリア人質事件に関する対策本部の会合後、記者に説明する安倍首相
Photo By 共同 

 アルジェリア南東部イナメナスのガス田施設で起きた人質事件で、同国内務省は19日(日本時間20日)、これまでに人質23人と武装勢力メンバー32人全員が死亡したと発表した。プラント建設大手、日揮のアルジェリア人スタッフら2人が、日本人9人が事件発生の16日に殺害されたのを目撃したと、フランス公共ラジオが報道。日本政府、日揮は同情報について確認していない。

 日揮のアルジェリア人スタッフの証言によると、犯行グループは16日、イナメナスの空港に向かっていたバスから逃げ出そうとした日本人3人を殺害。別の日本人6人は居住区で殺された。フランス公共ラジオの報道に加え、アルジェリアのテレビも20日、日本人9人が武装勢力に殺害されたと報じた。しかし、同情報について日本政府、日揮は確認していない。サイド情報相は同日、人質の死者数がさらに増える見通しを示した。同国のテレビによると、現場施設から新たに25人の遺体が見つかった。国籍や、人質か武装勢力かなどは明らかにされていない。

 国営通信などによると、最終作戦中に外国人人質7人と犯人側の11人が死亡。地元テレビは、死者のうち1人は日本人だと報じた。武装勢力の占拠は終結したものの、外国人ら人質の多くの安否が分かっておらず、事件の全容は見えていない。当局が厳しいメディア統制を敷いているためで、軍の作戦中も政府は関係国にほとんど情報提供しなかった。解放された人々が外国メディアに話す内容までコントロールを試みたもようで、情報の錯綜(さくそう)に拍車を掛けている。

 安倍首相は日本時間20日未明、アルジェリアのセラル首相と電話会談。その後、記者団に「厳しい情報に接した」と述べた。菅義偉官房長官は、同国政府から複数の日本人について、死亡または生存が確認できていないとの情報の提供があったことを明らかにした。同情報について日本政府として確認できておらず、日揮の日本人駐在員10人の安否は依然不明だ。

 アルジェリア軍は19日、最終的な軍事作戦を完了、武装勢力が占拠していた南東部イナメナスのガス田施設を制圧。内務省は声明を発表、16日の事件発生以来、人質23人と武装勢力メンバー32人全員が死亡したと明らかにした。19日の作戦で16人の外国人が新たに救出されたとも報じられた。いずれも日本人が含まれるかどうかは不明。

 日揮の遠藤毅広報・IR部長は21日未明、横浜本社で記者会見し、日本人9人が死亡したとする海外メディアの報道について「いまのところ、うちの会社関係者の死亡は確認できていない」と述べた。20日の会見では安否不明の10人の家族への対応については「捜索状況や現地の様子を伝え、難しい状況になっていると説明している」と話した。

[ 2013年1月21日 06:00 ]

Webtools & Bookmarks
Yahoo!ブックマークに登録

注目アイテム

ニュース

注目アイテム

クイックアクセス
【楽天】オススメアイテム
スペシャルコンテンツ