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少しでも銃のない米国を望む

2013/1/21付
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 児童ら26人が殺害された米コネティカット州の小学校での銃乱射事件を受け、オバマ大統領が銃規制の強化策を打ち出した。

 銃規制には議会内や圧力団体の強い反対がある。しかし、学校や商業施設でたびたび乱射事件が起き、多数の犠牲者が出る社会は、私たちが考える「安全な社会」ではない。米国には、市民が銃を持つことと無縁の国から来た多くの人々も住んでいる。実効ある規制が実現することを強く望む。

 大統領が発表した銃規制強化案には、半自動小銃など殺傷力の高い銃器の製造販売の中止、すべての銃取引の際の購入者の犯罪歴調査の義務づけ、などを盛り込んだ。そのうえで、必要な法改正を迅速に進めるよう議会に求めた。

 米国では民間人が約3億丁の銃を所持している。人口にほぼ匹敵する数だ。国民が銃を持つ権利は、憲法修正第2条が保障しているとされている。

 1791年に憲法に追加された条文には「規律ある民兵は自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有し、また携帯する権利は、これを侵してはならない」とある。オバマ大統領も、200年以上変わらぬこの条項を尊重する姿勢は崩さない。

 ただ、現実には社会に拡散した銃が犯罪に使われ、犯罪を防ぐためにという理由でまた使われている。「銃をもって銃を制する社会」だ。こうした、先進国のなかで例外的な銃社会の論理は、他の国の価値観とは相いれない。

 米国では一昨年、1万1000人が銃で殺された。日本は8人である。安全に差があるのは明らかだ。米国には邦人約40万人が住み多くの旅行者が訪れる。もちろん誰ということではない。米国にいるすべての人々が少しでも安全になるため、銃規制は欠かせない。

 議会の規制反対派議員や彼らを支援する全米ライフル協会(NRA)の力は強く、規制実現への道は険しい。2期目に入った大統領の指導力と決意、それを後押しする世論の盛り上がりに期待する。

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