福井で寒風の中「水中綱引き」　美浜町の伝統行事

　運河に渡した大綱を引きちぎって豊漁を祈る伝統行事「水中綱引き」が２０日、福井県美浜町で行われた。寒風の中、上半身裸の男たちが水中で懸命に綱を引く姿に、見物客から歓声が上がった。

　約３７０年の歴史がある国の無形民俗文化財。若狭湾と三方五湖の一つ日向湖を結ぶ運河の両岸に、わらで編んだ長さ約４０メートル、直径約３０センチの大綱を固定。約２０人の男たちが二手に分かれ、どちらの岸の綱を早く断ち切れるかを競う。

　午後２時すぎ、半裸の男たちが橋の上から次々と運河へ飛び込み、力強く大綱を引っ張った。約２０分で片方の綱が切れると、周囲は歓声と拍手に包まれた。