東京電力は12日、新潟県の柏崎刈羽原発5号機の使用済み核燃料プールに保管していた燃料集合体1体で燃料棒が曲がって接触していたと発表した。核燃料が損傷するなどの異常は見つかっていない。だが、接触したまま原子炉に入れて運転した可能性があり、燃料損傷事故になる恐れがあった。
燃料集合体は燃料棒60本が束ねられている。その中央にある冷却水が通る管が変形していた。燃料プール内の燃料集合体18体で、この管が曲がって変形していた。詳しく調べたところ、このうち1体は曲がった管で燃料棒が押され、別の燃料棒と接触していた。
同原発では以前、使用前の燃料集合体に金属製のカバーを取り付ける際にずさんな作業で過剰な力をかけていたという。その際に、燃料が接触した可能性があるという。この燃料は1994年にカバーが取り付けられ、95年から2000年まで原子炉で使われていた。