【北陸発】「志賀直下 調査半日だけ」 建設前87年 岩盤詳細確認せず
国の元審査担当員北陸電力志賀原発(石川県志賀町)の1号機直下に活断層がある疑いが浮上した問題で、旧通商産業省が行った建設前の安全審査で専門家の一人として活断層を調べた同省地質調査所の元所員、黒田和男氏(81)が本紙の取材に応じ、「通産省が専門家会議に手配した敷地内の現地調査は半日程度で、岩盤を詳しく確認できなかった。今振り返ると問題があった」と述べた。 当時の資料などによると、同省は1号機の審査時、顧問会と呼ばれる専門家会議を開いて安全性を確認しており、活断層などを検証する地盤・耐震部門は黒田氏を含め十二、三人がいた。黒田氏が所属した地質調査所は通産省の研究機関で、黒田氏自身は地すべりを専門にしていた一方、地質調査所の業務として各地の断層調査も行っていた。 安全審査に伴う現地調査は一九八七(昭和六十二)年五月から六月にかけて実施。三日間の日程だったが、三十キロ圏の断層の確認なども含んだため、黒田氏は「敷地内調査は半日程度で、北電が地層のずれを調べるために掘ったボーリングやトレンチ(溝)などを見た」と述べた。 地層の下にある岩盤には断層活動を疑わせる段差があったが、北電は「波の浸食でできた」と説明していた。黒田氏は「本来は岩盤もよく確認すべきだった」と話した。 北電は岩盤に横穴を掘って割れ目の状態を確認しており、黒田氏らも現地調査で横穴に入ったが「敷地内の一部にすぎない」と述べ、「電力会社は地層を取り除き、岩盤を露出させた上で原子炉建屋を固定させる。岩盤を露出させた段階で行きたかった」と述べた。 現地調査の際、1号機直下の地層にもずれがあると指摘されていたことが分かっているが、黒田氏は「私の意見だった」と強調した。 この地層は十二、三万年前に形成されたとみられ、この直後の断層活動でずれが生じていれば、今の国の基準では活断層があると認定される。ただ当時の活断層の定義は五万年前以降に動いた断層だったため、「古い時代のずれは重視されておらず、本当にずれがあるといえるか、断層活動でできたずれか十分検証しなかった」と振り返った。 (榊原崇仁) ◇北陸電力志賀原発直下の活断層問題◇ 昨年7月にあった旧経済産業省原子力安全・保安院の専門家会議で、1号機直下を走る岩盤の割れ目「S−1断層」について「典型的な活断層」などの指摘があり、保安院は北陸電力に調査を指示した。昨年9月に保安院の業務を引き継いだ原子力規制委員会には、3月以降に調査結果が報告される見込み。 PR情報
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