By JON OSTROWER AND JACK NICAS
米運輸安全委員会(NTSB)は8日、日本航空のボーイング787型旅客機「ドリームライナー」が前日、米ボストンのローガン国際空港で起こしたぼやについて正式調査を開始した。一方で米ユナイテッド航空は保有する同型機の1機で配線ミスを発見した。
日航機のぼやを受けて各航空会社は保有機の点検をした。関係筋によると、その結果、米ユナイテッド航空が保有6機中1機の電線が不適切に接続されていることを見つけたという。
ボーイングは事故のあと、内外の当局や航空会社と連絡を取り合っている。同社は8日、日航機でのぼやは他の787型機を悩ませた一連の電気系統の問題とは無関係だとの見解を示した。
NTSBは同日、この事故について正式調査を開始。米連邦航空局(FAA)や日本の当局、ボーイング、それに日航とともに調査に当たっている。日本の国土交通省は日航と全日空に対して、同型機の点検を命じた。しかし、両社は問題は見つからなかったとしている。
関係筋によると、ユナイテッド航空は補助動力装置(APU)に関連した電気系統を調べた結果、日航機のぼやが起きたのと同じエリアで問題を発見した。APUバッテリーにつながる電線の束に配線ミスがあったという。このバッテリーは、日航と消防が7日のぼやの出火点としているものだ。
ボーイングはこの事故のあと日航と連絡を取り合っているとしているが、ユナイテッド航空が発見した問題についてのコメントは出していない。
同社は昨年末までに49機のドリームライナーを8社に引き渡した。うち昨年の引き渡し数は46機。世界の大手航空会社とリース会社からの受注残は799機。同社は月間5機の製造ペースを年内に目標の10機に引き上げようとしている。航空会社は価格の大半を引き渡し時に支払うため、電気系統問題で製造ペースが鈍れば、ボーイングのキャッシュフローは打撃を受けることになる。787のうち最も大型の787-9型の価格は2億4400万ドル(約213億円)。
一連の技術的トラブルで787型機に集まっていた関心は8日、ボストンから成田に向かおうとしていた日航機が燃料漏れを起こしたことで一段と高まった。7日のぼやは乗客乗員が降りたあとに発生した。燃料漏れは同型機を多く購入している航空会社にとっては最も望ましくないものだった。
ローガン空港によると、成田行きの日航機—ぼやがあったのとは別の機—は誘導路上を滑走路に向かっているところで、左翼から燃料を漏らし始めた。マサチューセッツ空港当局の広報担当者マシュー・ブレリス氏は、同機は移動をやめて、漏れは現地時間午後12時25分ごろに解決したと語った。その後、誘導路では40ガロン(151リットル)の漏れた燃料の除去作業が行われ、同機は点検のため乗員乗客を乗せたままのターミナルに牽引された。
FAAは昨年12月初め、燃料経路での燃料漏れの懸念が高まったことから787型機の点検を命じている。
8日のニューヨーク証券取引所のボーイング株は前日比2.6%安の74.13ドルで引けた。
Hello
Your question to the Journal Community Your comments on articles will show your real name and not a username.Why?
Create a Journal Community profile to avoid this message in the future. (As a member you agree to use your real name when participating in the Journal Community)