| おしえて888 投稿者 sender'sさん | |
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おとり捜査が認められない根拠の「中心」は以下の2つの条文だと思います。 ------------------------------------------------------------- 憲法第31条〔法定手続の保障〕 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。 刑法第61条(教唆) 人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。 ------------------------------------------------------------- 憲法31条にある「法律の定める手続き」による捜査とは、裁判官の令状に基づく逮捕・捜索・差押などの 強制捜査のことだと思います。おとり捜査はそのような強制捜査には当たらないとされていますし、 そもそも、警察官自ら犯罪を「そそのかす」わけですよね? これはその警察官に対して、刑法61条の「教唆犯」の疑いがあると思います。 そして、そういった違法性の疑いがあるある捜査によって逮捕されたとしてもそんなの無効だよ、 というのが憲法31条の主旨です。 ただ、そくらさんの書かれているとおり 麻薬・覚醒剤に対しての「おとり捜査」には裁判所は寛容なようで、実際、以下のような判例が出ています。 「おとり捜査により被告人が覚せい剤所持犯人として検挙されたものであっても、かねてからよい客があれば 覚せい剤を売ろうとして所持の犯意を有していた者に、その現実化および対外的行動化の機会を与えたにすぎず、 当該状況下では捜査上必要な措置であったと認められるときは、適正手続条項に違反する措置であるとはいえない。」 (東京高判昭57・10・15判時1095-155)(東京高判昭62・12・16判タ667-269) 要するに、「犯罪を積極的にそそのかしたんじゃなくて、もともと犯罪をしようとしていた人に機会を提供しただけだよ」 ということみたいですが個人的には、結論が先にあってのこじつけに過ぎないと思います。 ただ、だからといって「犯人を即刻無罪放免にせよ」とも言いたくないし、難しく微妙な問題ですね。 考え出すと眠れなくなります(≧▽≦)ノ。 *以上、条文・判例はすべて 三省堂 『模範六法2001平成13年版』CD−ROM版より。 なお、私は法律の専門家ではないので注意してね(≧▽≦)ノ。 憲法の大枠では、正当で適切な捜査方法でなければ、何人も犯罪者とみなしてはいけない、となっています。 このことから、おとり捜査は、現在の判例では「麻薬捜査、覚醒剤捜査」以外では認められていないのです。 例えば、私も引っかかると思いますが、一応善良な市民の私でも、美しく若い女性警察官に 「1万円で援交してくれれば楽しいと思うわぁ」と言われ、ひょこひょこついて行ったら、新宿警察署であった、 とすると、どうなるでしょう? 勿論、大枚をはたいて、敏腕弁護士を雇い、私は、捜査の違法性を訴えますが、 これによって、私の鼻の下の長さは壊滅的な打撃を受け、家族からは捨てられ、職場からは見捨てられ、 もはや、新宿の「箱男」とならざるを得ないかも知れません。 こうしたことから、安易な捜査方法を戒めるために、「おとり捜査」を禁止しているのです。 多分、こうした憲法の条文から、おとり捜査の違法性を読みとれると思います。 第三十八条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。 |
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