東日本大震災:福島第1原発事故 避難9首長、自治体単独再生「困難」 「国は広域的視点を」−−毎日新聞アンケート
毎日新聞 2013年01月19日 東京夕刊
東京電力福島第1原発事故で自治体ごと避難した福島県9町村の首長が、除染やインフラ整備などの国の帰還事業が進んでも、人口減や住民の分散などから各自治体単独では再生が困難だと考えていることがわかった。毎日新聞のアンケートに答えた。9町村とも新政権に広域的な視点での復興計画の練り直しを求めている。【深津誠、栗田慎一】
アンケートは、避難が続く大熊▽双葉▽浪江▽富岡▽楢葉▽飯舘▽葛尾の7町村と、役場機能を戻した広野▽川内の2町村を対象に実施、住民帰還の課題や自治体合併の考え方などについて質問した。いずれの首長も「自治体を元の姿に戻す」との観点から、現時点での合併に否定的な見解を示したが、帰還に向けた国のインフラ整備や財物賠償などを優先項目に挙げた。
将来の合併については、避難が長期化する富岡町と大熊町が「選択肢の一つ」と検討・議論に前向きの姿勢を示した。一方、浪江町や飯舘村、楢葉町などは、帰還事業が終わった上で検討すると回答しており、自治体間に温度差がある。