【北京=林望】中国国営新華社通信は19日、クリントン米国務長官が日米外相会談で尖閣諸島(中国名・釣魚島)の日本の施政権に言及したことを論評抜きで伝えた。長官が「日本の施政権を損なおうとするいかなる一方的な行為にも反対する」と述べたと報じつつ、領有権を巡り「(特定の)立場を取らない」と改めて表明したと強調した。
中国政府は19日夜までに反応を示していない。長官が尖閣への中国の動きを牽制(けんせい)した半面、領有権については従来の立場を維持したことを評価し、慎重に対応する構えだ。
一方、中国外務省の秦剛報道局長は19日、安倍晋三首相が発表した東南アジア諸国連合(ASEAN)との外交「5原則」に関し、「領土や海洋権益を巡る争いについて、我々は当事国が二国間の対話で解決することを主張している」との談話を出し、不快感を示した。