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国際
【緯度経度】ソウル・黒田勝弘 対日強硬派、解決阻む
その一人は今から10年ほど前、支援の女性活動家に連れられ産経新聞ソウル支局に抗議に来たことがある。筆者が日本で出版した著書(文春新書「韓国人の歴史観」)が問題だというのだ。「旧日本軍将兵のために苦労した元慰安婦に対し現代の日本人の一人として述べる言葉があるとすれば『感謝と慰労』だと思う」と書いた部分がケシカランという。
抗議は「感謝と慰労では日本に協力したということになるから認められない。あれは強制だった」といって聞かないのだ。
しかし、激高する女性活動家をよそに、元慰安婦の老女は所在なげで論争には加わらなかった。圧力材料(?)として連れてこられたように見えた。以来、支援団体は老女たちを率いて10年以上、日本大使館前で毎週デモを続けている。
ところで最近、慰安婦問題をめぐって1995~2007年に日本の官民合同で設立、運営された「アジア女性基金」への再評価論が出ている。基金は韓国をはじめ、各国の旧日本軍関連慰安婦に対し「償い事業」を行った。当事者には慰労金や「おわびと反省」の首相書簡を伝達したのだが、韓国で批判が強く事態解決にはつながらなかった。
韓国政府に登録され生活支援を受けてきた元慰安婦は236人。その後、高齢で多くが死亡し現在、58人しか残っていない。
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