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2章 5月
2-1 かなた最大のピンチ
-5月に入ったある日の昼休み・・・-

私とかなたさん、それにレナの3人はいつもの様に学食で食事を済ませ教室に戻ると花梨さんが私達のもとに歩いてきた
手にはなにか紙のような物を持っているがあれはなんだろう?

「亜希さん、かなたさん、先ほどリア先生がいらしてこれを渡すようにと」

花梨さんはそう言うと、私達に一枚の丈夫そうな紙を手渡してくれた
その紙にはカルテと書かれておりどうやら健康診断のカルテのようだ
そうか、学校だから健康診断くらいあるよね

「健康診断・・・ですか、ありがとうございます、花梨さん」

「健康・・・
ええぇぇぇーーー・・・っ!?」

私は花梨さんから受け取り、お礼を述べると突然かなたさんが突然驚いたような声をあげた

「きゃっ!?
ど・・・どうしたんですか?かなたさん・・・?」

私はその声に驚きながらもかなたさんに問いかけてみた

「え?あ、いえ、ちょっと聞き間違えてしまって・・・
健康診断・・・ですよね?」

なにかかなたさん顔を引き攣らせてるけど・・・どうしたんだろう?
・・・ん?
ちょっと待てっ!今の「きゃっ!?」っていうのは何っ!?
えっ!?今の私の口から出たのっ!?マジっ!?
無意識のうちにそんな言葉が出るなんて・・・もういよいよ末期かもしれない・・・(泣)
私はそう思いながら落ち込んでいた

「健康診断は来週なのでそれまでにそのカルテに必要事項を書いてリア先生に・・・
て、あら?レナさん、あのお二人はどうしたのでしょうか?」

「さぁ・・・?
そのうち復活するのではないですか?」

落ち込んでいる私と、どこか慌てているかなたさんを見て花梨さんとレナは不思議そうな顔をしていた


-かなたパート-

昼休みが終わり授業が始まっているのだが、今の僕はそれどころではなかった
健康診断だって・・・?
それはマズイ・・・マズすぎる・・・
健康診断って下着姿にならないとならないんだよね・・・?
体育でもギリギリだったのに、今回ばかりは絶体絶命かもしれない
一応僕が着けている胸パッドは、僕の肌の色に合わせて作られた特注品であり、本物の胸のように毛細血管も浮かんでいる高級品だ
接着もスピリットガムという松ヤニから作られた接着剤で、肌に貼り付けてあるのでよほど近くで見ないとばれないだろう
でもいつもレナさんが亜希さんにしているようなセクハラじみた過度なボディタッチをされればバレかねない
それにあまり触られてポロッと外れても困る
何より一番の問題は下半身である
下着姿ということは・・・
そう否が応でも僕が男であるということがバレてしまうのである
それを見られた時点でもう言い逃れは出来ない
本当にどうしよう・・・(汗)


-放課後-

僕と亜希さんはカルテに必要事項を記入するとリア先生に提出するために職員室を訪れた

「ん?ああ、カルテ持ってきてくれたんだね、ありがとう
・・・ああ、御堂さんはこのまま残ってて」

リア先生はそう言うと僕達のカルテを受け取ると僕に残るように言うと亜希さんは教室へと戻っていった

「さて、と
ちょっと私に付いてきて」

僕はリア先生の後についていくと生徒指導室へと案内された
というか、なんで生徒指導室?

「話は聞いたかもしれないけど、来週に健康診断があるんだ
まあ、学校だから当然なんだけどね」

「そうですね、僕もこの先起こるであろうトラブルをもう少し考えておくべきでした」

リア先生に対し僕は冷静に受け答えた

「・・・もっと慌ててるかと思ったけど、意外と冷静だね」

先生は僕が慌てている姿を期待していたのかやや残念そうな顔をしていた

「いえ、さっきはもっと取り乱していました、今は少しは落ち着いた感じです」

「そう、それはちょっと見たかったね・・・」

そう言うと先生は本当に残念そうな顔をしている
・・・そんなに見たかったのだろうか

「さて、そんなことより、問題は・・・分かっているね?」

「はい・・・流石にこれはちょっとマズイんじゃないかと・・・」

本当はちょっとどころではなくかなりマズイ・・・
ヘタしたら僕は痴漢や変態として捕まってしまうだろう

「ふむ、そう言うだろうと思って一応アドヴァイスを用意しておいたよ」

「アドヴァイス・・・ですか?」

何かいい方法があるのかな?

「この学園は検査日には上はノーブラで制服のシャツを着て受けることになる
まあ、女子高とはいえ、終わるまで上は全裸という訳にはいかないからね
それで上の方はなんとかカバーできると思うんだけど・・・問題は下の方よね?」

確かにそれなら胸の方はカバーできるだろうけど・・・

「はい・・・」

「ウチの学園のシャツは他所の学校のよりもやや長いのが特徴なの
それで下を隠すしかないね」

「シャツで・・・ですか」

なるほど、確かにこの学園のシャツはやや長めだからうまくやればそれも可能だろう

「検査時には、ややはだけさせるだけでいい、どう?これなら何とかなりそうでしょ?」

「は、はあ・・・」

「後は出来るだけ他の生徒を見ないこと、反応しちゃったらそれこそアウトだからね
まあ、健康診断の前日にでも性欲は発散させておきなさい
どうしても心配なら挟むか、ガムテープででも止めておきなさい」

リア先生は最後にとんでもないことを言い出した
挟むって・・・
はぁ・・・帰ったらレナさんに相談してみよう・・・


-その日の夜・・・-

僕は夕食を取りながら未だ健康診断のことで頭を悩ませていた
亜希さん達はなにか雑談をしているようだが今の僕の耳には会話が全然入ってこない
というかそれどころではない

(うぅ・・・どうしよう・・・
最大のピンチじゃないか・・・)

僕はそう思いながらフト目をやると楽しそうに話をしている亜希さんの姿が目に入った

(そう言えば亜希さんも同じクラスだから健康診断の時にはやっぱりノーブラで制服のシャツを来た状態で受けるんだよね・・・
亜希さんって結構スタイルいいな・・・
胸もそれなりにあるようだし、腰も引き締まっているし・・・)

その時僕はふと更衣室での下着姿の亜希さんを思い起こしてしまった
下着姿で制服のシャツを着たノーブラな亜希さん・・・

(って!僕は何を考えているんだっ!!)

僕は今思い浮かんだ光景を振り払うかのように首を振るが顔は赤くなっていることが自分でも分かる
うぅ・・・リア先生の言うように性欲発散させたほうがいいのかな・・・

「・・・さん?・・・かなたさん?
どうしたの?かなたさん?」

先ほどの僕の視線に気がついたのか亜希さんが首を傾げながら僕の方を見ている

「えっ!?
い、いえ、なんでもありません・・・」

僕は急に恥ずかしくなり顔を背けると亜希さんは「そう?」といいながら零夢ちゃんや、風香ちゃんとの雑談に戻った
うぅ・・・あんな妄想をしてたなんて恥ずかしくて亜希さんの顔をまともに見れないよ・・・

「か~な~た~ちゃん♪
んふふ~、赤い顔をしながら亜希ちゃんを見てたけど、どうしたのかな~?
ちょ~っとお姉さんにお話してみようか?」

顔を赤くしながら俯いている僕のすぐ横にレナさんが来ると、怪しげな笑顔を浮かべながら小声で話しかけてきた
そして、気がつくとみゆきまですぐ横におり、まるで尋問のような感じすらする

「まあ、大方理由は健康診断のことなんでしょ?
カルテもらった時、かなり慌ててたからねー
ご飯が済んだらボク達が相談に乗ってあげるよ」

「健康診断・・・
ああ、そういえばそんなイベントありましたね
とりあえずかなた?私達にちゃ~んとカミングアウトするのよ?♪」

うぅ・・・なんか取り調べされる容疑者の気持ちがわかる・・・ような気がする
食事がすんだ僕は、レナさんとみゆきに拉致されるような感じでレナさんの部屋へと連れて行かれた


レナさんの部屋に通された僕は椅子を用意されたが、レナさんとみゆきの正面に座らされた
本当にこれから取り調べが行われそうな気がしてきた・・・

「まあ、とりあえず健康診断の流れを説明すると・・・
まずはレントゲン車よ、次に保健室に行って身長、体重、あと胸囲に胴囲、そして、臀囲を測って
内科検診で終わり・・・だったかな?」

僕は健康診断の内容を尋ねるとみゆきが顎に指を当てながら思い出すように答えていた

「あとリア先生から移動中は下着姿で移動しないって聞いたんだけど・・」

「うん、確かに移動中は制服のシャツを着て移動するね
・・・ああ、確かにそれだと胸は隠せても下はギリギリだもんね
あはは・・・」

僕はリア先生が言ってたことを確認するように問いかけるとレナさんがそこで僕の言わんとする事を理解したようで苦笑を浮かべていた

「かなた、リア先生から何か助言みたいなものは貰った?」

僕がレナさんと話しているとみゆきが割って入ってきた

「うん、一応アドヴァイスなら貰ったんだけど・・・
先生が言うには・・・えっと・・・最後の手段として挟めと・・・」

「挟む・・・?
挟むって・・・
・・・っ!!?」

僕が気まずそうに答えるとみゆきは最初意味がわからないって顔をしていたがすぐにその意味を理解したのだろう、顔を真赤にしていた

「と・・・とりあえず、シャツでどうにか誤魔化すしかないんじゃないかな・・・?」

レナさんが最後に苦笑しながらそう締めくくった
どうにか誤魔化すしかないってことか・・・ううぅ・・・
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