とっとりグリーンウェイブ:「まんが」から「グリーンウェイブ」へ 知事に聞く /鳥取
毎日新聞 2013年01月08日 地方版
漫画からグリーンウェイブへ−−。県は昨年「国際まんが博」を県内各地で開催、漫画による地域おこしを進めた。今年の重要政策に位置付けるのは「とっとりグリーンウェイブ」。平井伸治知事に昨年の「まんが王国建国イヤー」を振り返ってもらうと共に、5月26日に開かれる全国植樹祭などを中心としたグリーンウェイブの狙いや目指す方向性を聞いた。【田中将隆】
◇王国、民間・地域主導で
−−国際まんが博は目標とした300万人の来場者数を達成した。
◆来場者は、321万人と想像以上だった。実は水木しげるロード(境港市)が集客力を失いかねないという危機感があった。「ゲゲゲの女房」(NHKの連続テレビ小説、10年)のブームが落ち着きを見せ、観光客数が減っているのは確かだ。国際まんが博で反転攻勢に出るきっかけを作ることができたと思っている。JR境線の列車を全て妖怪列車化したり、境港駅に妖怪たちの大きな看板を設置したりしたが、これはまんが博があったからできたこと。今後の大きな顔作りができた。
また「名探偵コナン」は、海外では鬼太郎以上に関心を集めるコンテンツ。これまでは著作権の問題などがあったが、国際まんが博という舞台ができたことで、版権を持つ関係者とひざをつき合わせて話し合えたことは大きかった。これがスタートとなり、中部の経済関係者などでも「今後の街作りはコナンでやろう」という機運が高まっている。
−−まんが王国の今後の展望は?
◆昨年は殻を破るため、県が主導した。予算自体は国の補助金を使うなどし、迷惑のかからない範囲に収められたと思っている。これからは、もっと民間や地域が引っ張ってもらいたい。まんが博を開いたことで、世界中から集まった漫画家、日本の巨匠、秋葉原などの地域、権利関係を握る人、漫画文化研究の明治大学などとたくさんのパイプができた。明治大学とは、新たな拠点構想も考えられると思っているし、2月には(「まんが王国土佐」を名乗る)高知県とも条約を結び、タッグを組むことが決まっている。これらを将来の布石として、地域全体で盛り上げていくことが、成功への道だと考えている。
◇自然・農業を起爆剤に
−−今年の「とっとりグリーンウェイブ」はどういう構想か?