漫画「黒子のバスケ」に関しては、昨年秋以降、関連するイベントの中止等を要求する脅迫状が、当社をはじめとする全国各地の会場、イベント主催者、近隣施設等に相次いで送付されているところです。報道等によりますと、上智大学では、脅迫状とともに硫化水素を発生させうる液体物が仕掛けられる事件が実際に発生しておりますが、現時点においては、未だ犯人が確保されておりません。

当社が管理・運営を行っております東京国際展示場は、都民の貴重な財産であるとともに、ご利用いただく皆様が共にお使いいただく施設です。こうした施設を管理する当社には、言うまでもなく、来場されるお客様の安全・安心を最大限に確保する使命があることはもちろんのこと、ご利用される多くの方々が催事を確実に実施できる環境を整える責務があります。

もとよりこうした脅迫事案は、歴とした犯罪行為であり、警察当局のご尽力により速やかに事態が収束することを望むものですが、当社といたしましては、来場されるお客様の安全・安心を最大限に確保することが求められる大規模集客施設の管理者として、事案が収束するまでの間、「黒子のバスケ」に関連するイベント等の開催を予定される主催者に対し、当面、開催の延期あるいは関連サークルの出展見合わせをご検討いただくよう申入れをさせていただいております。当施設を利用される各催事の主催者、来場者の皆様におかれましては引き続きご理解、ご協力の程よろしくお願いいたします。

当社といたしましては、来場されるお客様の安全・安心の確保を最優先に考え、警察当局からの指導等も踏まえながら、以下に記載の各催事に関し、「黒子のバスケ」関連サークルの出展見合わせなどの検討をお願いしているところです。

○ コミックマーケット８３
（平成２４年１２月２９〜３１日：コミックマーケット準備会､有限会社コミケット)

本催事につきましては、関連サークルの出展取り止めを要求する脅迫状が主催者宛に送付された昨年秋以降、主催者・警察当局・当社の３者間で、その取扱い等につき、断続的に協議を行ってまいりました。しかしながら、その間にも全国の会場等に相次いで脅迫状が送付され、各地で予定されていた関連イベントが軒並み中止等に追い込まれるなど事態がより深刻さを増してきたこと、また、１日の来場者が２０万人近くあり、お客様の安全確保等が重要な課題となっているコミックマーケットにおいて、万一、実際に事件が発生した場合、一次被害のみならずパニック等による二次被害も強く懸念されることなどから、当社として、お客様の安全・安心の確保を最優先に考え、警察当局からの指導も踏まえた上で、主催者に対し、「黒子のバスケ」関連サークルの出展見合わせなどの検討をお願いするに至ったところです。

これに対し、主催者からは、当社及び警察当局からの要請等を踏まえ、来場されるお客様の安全確保の観点から、関連するサークルの出展を見合わせざるをえない旨のご回答、また、警備を強化した上で開催する旨のご説明をいただいたところです。

開催に至るまでの数ヶ月間、主催者及び警察当局とは幾度となく協議を重ねてきたところですが、「黒子のバスケ」関連サークルの出展を見合わせるとの主催者の判断は、お客様の安全・安心の確保の観点から、苦渋の決断をされたものと考えております。

本イベントについては、主催者により来場者の手荷物確認等がなされ、また、当社としても警備員の増員をはじめ大幅な警戒体制の強化を図るなど、万全の態勢を整え、無事に催事を終えることができました。

○ ＣＯＭＩＣ　ＣＩＴＹ東京１３１
（平成２５年１月２７日（予定）：赤ブーブー通信社、有限会社ケイ・コーポレーシ
　ョン）

本催事につきましては、一部に「黒子のバスケ」関連サークルの出展が予定されていたことから、昨年来、一連の脅迫事案の動向を注視しつつ、主催者及び警察当局と断続的に協議を重ねてきたところです。しかしながら、事態に収束の兆しが見受けられず、依然としてリスクを伴うものであったことから、「コミックマーケット８３」の際と同様、お客様の安全・安心の確保を最優先に考え、「黒子のバスケ」関連サークルの出展見合わせなどの検討を主催者にお願いしたところです。

一方、主催者からは、「黒子のバスケ」関連サークルの出展は催事全体の一部であることなどから、万全の警備体制を取った上で、予定通り催事を開催したいとの意向が示されました。大規模集客施設を管理・運営する当社としては、お客様の安全・安心の確保を最優先に考え、繰り返し当社の考え方につき説明を行ってまいりましたが、それらを踏まえてもなお、主催者より、安全確保のための最大限の努力を図った上で予定通り催事を開催する旨のご回答を受けたことから、最終的には、「主催者の責任において、警察当局等の指導を仰ぎながら来場者等の安全を確保するための最大限の対策を講じること」等についてお約束いただくことを前提に、施設をご利用いただくこととなったところです。

当社としましては、施設管理者として、主催者はもとより警察当局とも十分に連携しつつ、警備員の増員をはじめ警戒体制の強化を図った上で臨みます。

○ ＤＯＵＢＬＥ　ＣＬＵＴＣＨ
（平成２５年２月１０日（予定）：赤ブーブー通信社、有限会社ケイ・コーポレーシ
　ョン）

本催事は、「黒子のバスケ」のオンリーイベントですが、開催中止を要求する脅迫状が当社及び主催者宛に送付された昨年以降、一連の脅迫事案の動向を注視しつつ、主催者及び警察当局と断続的に協議を重ねてきたところです。しかしながら、事態に収束の兆しが見受けられず、依然としてリスクを伴うものであったことから、「コミックマーケット８３」の際と同様、お客様の安全・安心の確保を最優先に考え、犯人が確保されるまでの間の開催延期などの検討を主催者にお願いしたところです。

一方、主催者からは、万全の警備体制を取った上で、予定通り催事を開催したいとの意向が示されました。大規模集客施設を管理・運営する当社としては、お客様の安全・安心の確保を最優先に考え、繰り返し当社の考え方につき説明を行ってきたところですが、最終的に主催者からは、当社からの申入れの内容やこれまでの経過等を総合的かつ慎重に判断した上で、開催を中止するとのご回答をいただきました。本催事は「黒子のバスケ」のオンリーイベントであることから、結果としてイベント自体を中止することを決定されたところですが、主催者の判断は、お客様の安全・安心の確保の観点から、重い決断をされたものと考えております。