翔天狼が１敗キープ

（１８日・両国国技館）

　大関陣は初日以来の安泰となった。横綱日馬富士（２８）＝伊勢ケ浜＝は新小結松鳳山を寄り切って６連勝。横綱白鵬（２７）＝宮城野＝は旭天鵬を寄り切り、１敗を守った。翔天狼（３０）＝藤島＝も１敗をキープ。大関陣で稀勢の里は豊響を寄り切りで下し、妙義龍をすくい投げで退けた琴奨菊、関脇把瑠都を寄り切った鶴竜とともに４勝２敗とした。琴欧洲は３勝目を挙げた。大関復帰が懸かる把瑠都は３敗目を喫した。

　生まれてくるわが子のためには「強いパパ」でいなくてはいけない。富士東を突き落として１敗を守った翔天狼。「パパになるし、強くなきゃいけないですね」と目を細めた。

　２０１１年７月に結婚した翔天狼が、待ちに待った第１子となる長女は２月３日が予定日。奥さんは旭天鵬の妹・ヒシゲスレンさんだ。昨年夏場所で史上最年長の初優勝を飾った義理の兄は「オレが優勝できたんだからね。翔天狼だって、できないことはないって思ってるでしょ。優勝して生まれてきたら最高のプレゼントになるよ」と兄弟Ｖを催促する。

　昨年秋から糖尿病になり、一時は体重は１０キロ以上も減った。大嫌いな野菜を食べるように食生活を改善したが、昨年九州場所も５勝１０敗。「今は食べるものを気にしないです。好きなものを食べてます。現役中はしょうがない」と腹を決め、インスリンを打ちながらの食事で体重を戻していった。

　東京・日暮里駅から徒歩５分に一軒家を購入している。保険会社に勤めるヒシゲスレンさんといっしょにローンを返済しているが現在は産休。翔天狼が生活を守っていかなくてはいけない。

　「旭天鵬関から段ボールに入った洋服が山ほど送られてきました。天井につくほど」

　その山を見つめるたびに、「頑張らなきゃ。名前も考えなきゃ」とおなかの子に見えない力をもらっている。　（岸本隆）