少し古い本ですが、「捨てる!技術」を読んでみました。ぼくも「捨てる」というテーマには一家言あるので書いてみます。
モノを持たない=合理的であることを理解する
モノを持っていないということは、さまざまな点でメリットがあります。
まず、引っ越しにあたっての金銭的・肉体労働的なコストが下がります。モノが多いと引っ越しも一苦労ですよね。
モノを保管するための場所にかけるコストも、削減することができます。うちは夫婦ともどもモノを持たないタイプなので、なるべく狭い物件に住み、家賃を下げています。
最期に、モノをメンテナンスするコストも下がります。たくさんのモノがあると「手入れ」が必要じゃないですか。コートとか何着もあると、クリーニング大変ですよね。モノが少なければ、これらをメンテナンスするコストも下がり、家計はスリムダウンします。
いいかえれば、不要なモノを持っていると、引っ越しのコストも、家賃も、メンテナンスの手間も、増大してしまうのです。使いもしないモノに対してこうしたコストを掛けるのはバカバカしい話です。環境にも財布にもよくありません。
無駄なものを持つことは無駄でしかない。まずはこのことを理解するのが、捨てる!技術の第一歩といえるでしょう。モノを持たないのは、合理的なのです。
「これは買って失敗だった…」という悔しさを記憶する
というわけで、「捨てる技術」の大前提として大切なのは、そもそも無駄なものを買わないことです。当たり前のことなんですが、これが意外と難しい。ぼくは買い物はかなり気をつけていますが、それでも年に1〜2回は「これは買って失敗だった…」という経験をしてしまいます。
人間は学習しなければなりません。ぼくはそうした失敗をしてしまったとき、全力で身体に刷り込ませるように努力します。あえて「くそー…財布にも地球環境にも無駄なことをしてしまった…」「二度とこんな過ちは犯さないぞ…」と口に出して、後悔を身体化させるのです。
このプロセスを繰り返すことで、学習が進み、無駄にものを買うことがなくなっていきます。衝動買いしそうになったときも、思わず手が止まるようになります。
失敗したら、その経験を忘れないように叩き込みましょう。まずはこのトレーニングが大切です。
使い倒すことに喜びを見いだす
悔しさを記憶する一方で、何かを使い込みまくることに喜びを感じるように、肉体を改造していくことも大切です。
たとえばぼくは今の財布を、かれこれ7年ほど使用しています。ピッグスキンの財布で、使い込むうちに良い感じの飴色になってきました。こういう変化が快感なので、ぼくは壊れるまでこの財布を使い続けるつもりです。この感じだと、たぶんあと5〜6年は持ちそう。
本来、「壊れてしまう」ということは、自分がそのモノの耐用年数(運命)まで使い切ったという証拠なので、とても嬉しいものなのです。最近は食器が欠けてしまったり、落として割ったりしてしまったときも、「あぁ、こいつは運命を全うしたんだな。よく頑張った…」と感慨に耽るようにしています。
1年使わなかったものは捨てる
「捨てる技術!」には「3年使わないものは捨てる」という基準が紹介されているのですが、ぼくは「1年」使わなかったら捨てるようにしています。
特にこれは「服」を片付けるときに使える基準です。一年着なかった服って、そのあと着ることってほとんどないんですよね。さっさと見限ってザクザク捨てるようにしています。
あえて整理しない
本やCDなど、溜まって来るとつい棚を買って整理したくなりますが、整理するとそれがそのまま、捨てにくい「コレクション」になってしまうものです。ぼくは大量に本を買うのですが、あえて本棚などに整理はせずに、「一定量溜め込んだら捨てる」というサイクルを回すようにしています。
人間、黙っていると整理整頓をしたくなってしまうんですよね。本棚買っちゃったり、収納ボックス買っちゃったり。整理しようと思う気持ちから、モノはどんどん増えていってしまいます。あえてごちゃごちゃ溜め込んでおくと、それらが「ガラクタ」に見えてきますから、自然と捨てたい感情がわき起こってきます。
常識を捨てる
こちらは「捨てる!技術」にも書かれていたTips。たとえば名刺、たとえばお祝いにいただいたプレゼント、たとえば子どもの頃の思い出の品……人間ってはじめから「これは捨てない」と考えてしまっているものって、けっこうあると思うんですよね。
ぼくはそういう無意識的な常識を「これって捨ててもいいんじゃね?」と疑うようにしています。恐らく多くの人が捨てないであろうものも、けっこうザクザク捨てています。あまり大きな声ではいえませんが、名刺なんかも、2〜3年間一度もコンタクトを取っていないものなどは積極的に処分しています。
どうでしょうか?書籍「捨てる!技術」には、ぼくが紹介しているもの意外にも多数のテクニックが紹介されています。捨てられずに困っている人は読んでおいて損はないでしょう。古本1円です。