-翌日・・・-
「亜希先輩、亜希先輩・・・起きてください・・・
朝ですよ」
私は誰かに揺すり起こされている
一体誰だろう・・・
「ん・・・んぅぅ・・・誰・・・?」
「亜希先輩、私ですよ
今日は私達がご飯作る番ですよ」
零夢・・・?
ご飯・・・?
ああ、そうか、今日は私と零夢がご飯を作る番だった・・・
「ふぁぁぁぁ~・・・
おはよう・・・零夢・・・」
「おはようございます、亜希先輩
おっきなあくびですね」
・・・ほっといて
「じゃあ私は着替えるから先に下に降りてて」
「わかりました、亜希先輩♪」
零夢を先に下に行かせたあと、私は服を着替え、寝癖を直し、零夢の後を追った
「さてと、何作るかな?
ところで零夢は料理とかは作れるの?」
「料理ですか?知識としてはあるんですが・・・作ったことはないので・・・」
冷蔵庫の中を見ながら零夢に問いかけたが零夢は気まずそうな顔をしながら答えていた
そう言えば知識はあっても経験はないんだっけ
忘れてた・・・というかこの子がロボットであることすら忘れてた・・・
「朝は簡単に魚にでもしましょう
零夢、私が料理を教えてあげるわ」
「わーい、ありがとうごます、亜希先輩♪」
そして数十分後・・・
「ふう、出来たわ
それにしても零夢、あなた料理上手ね、教えたことすぐ覚えるし」
「そんな事無いですよー、亜希先輩の教え方が上手なんですよー♪」
朝食を作り終えた私は零夢とじゃれあっていた
なんか本当の妹みたい
いっそお姉ちゃんって呼んでくれないかな・・・
「ね、ねえ零夢?私のことお姉ちゃんって呼んでみて?」
「ふぇ?いいですよ
お姉ちゃん♪」
ぐはっ!
な・・・何この破壊力は・・・
これが・・・これが妹萌えなのか・・・
「どうしたんですか?亜希お姉ちゃん?」
かはっ!!
悶えている私に零夢が追加ダメージを与えてくる
というか不意打ちだと効き過ぎる・・・
ああ、このまま本当の妹にしてしまいたい・・・
というかお嫁にしたい
女同士だけどいいよね?
それだけ可愛すぎる
「ああもうっ!零夢ちゃんったら可愛すぎる♪」
遂に私の制御装置(?)がショートし零夢を抱きしめていた
「ちょっ!亜希先輩っ!どうしたんですかっ!?
離してくださいよっ!」
零夢はやや嫌がりながらも顔をやや赤くしているようだ
そこもまた可愛い♪
「もう少しこのまま零夢ちゃんの抱き心地を味わわせて~♪
頭もナデナデしてあげるから」
「ちょっと先輩、苦しいですってばっ!」
ああ、私のなす我儘に抱きしめられ頭を撫でられてる零夢ちゃん・・・
なに?この可愛い生き物さんは?♪
お持ち帰りOKですか?(暴走中)
「あの・・・亜希さん・・・?」
気が付いたらかなたさんが私を見つめていた
ていうか呆れられていたっ!?
その瞬間私は自分の顔が赤くなっていくのを感じた
「えっと・・・いつからそこに・・・?」
「あの・・・亜希さんが悶えていた辺りから・・・かな・・・」
そんな頃からかよっ!!
恥ずかしいっ!!
私はあまりの恥ずかしさに零夢を離すと思わず隅っこにしゃがみこみ、両手で顔を覆った
「亜希さん・・・なんか可愛い・・・」
「亜希先輩・・・なんか可愛い・・・」
はうっ!?
二人して同時に可愛いって言われたっ!!
なんか恥ずかしすぎるっ!!
顔から火が出そうっ!!
その後私はかなたさんと零夢の顔を見ることが出来ず顔を赤くしながら朝食を食べた
零夢に「お姉ちゃん」って呼んでもらわないほうがいいらしい、暴走してしまうようだ、私が・・・
-昼休み・・・-
私はいつもの様にお昼を学食で済ませた後体操着を持って更衣室の前にいた
勿論体育の授業のため着替えるんだけどね
レナの話によれば体育は一組と二組(私達のクラス)の合同授業のようだ
それはいいんだけど、よく考えれば他の女の子と着替えをするのって始めてなんだよね・・・
そう思うと私はやや緊張したが、よくよく考えれば今の自分も女の子・・・自分の裸ならお風呂とかで何回も見てきたのだ
以前の私なら更衣室の前で固まっていただろうが今は何の問題もない
うーん、慣れって怖いな・・・
私はそう思いながら更衣室へと入っていった
その瞬間女性特有の匂いがムワッとした
なるほど、女の子が一箇所にたくさん集まるとこんな匂いがするのか・・・
男だったらこの匂いに酔っていたかもしれないな
私はそんな事を思いながら空いているロッカーを探すとちょうど奥の方に3つの空きスペースがあった
というかロッカーは適当に使えばいいのね・・・
ロッカーを確保し着替えようとした時かなたさんとレナがやってきた
「かなたさーん、レナさーん、こっちーっ!」
私は二人に見えるように手を振るとそれに気づいたのか二人がやってきたが、かなたさんはどこか赤い顔をしていた
「かなたさん、なんか顔が赤いですが、大丈夫ですか?」
「え?あ、はい、大丈夫・・・です」
うーん、なんか上の空みたいな感じだ
若干足元もふらついてるみたいだし・・
どこか具合が悪いのかな?
そう思いながら私は体操着に着替えた
ちなみに下はスパッツだ
以前の私なら男のロマンがーっと言ったかもしれないけど、今はどうでもいいや
・・・そう考えると私結構心まで女体化が進んでるのかも(泣)
考えるのはよそう、落ち込んでくる・・・
(そう言えばかなたさんの身体ってどんな感じだろう?
一見細く見えるけど・・・やっぱりかなりスタイルはいいのかな・・・?)
そう思いながら私はかなたさんのほうをチラッと見てみた
「うわっ!かなたさん凄く細いっ!
なんか胸もそれなりにあるし・・・まるでモデルさんみたい」
「あ・・・あの、そんなに見られると恥ずかしいんですけど・・・」
予想通りかなたさんすっごく細くかなりスタイルがいい
いいなー、どうせなら私もあんな感じで女体化したかったなー・・・
かなたさん恥ずかしそうに身体を体操着で隠してるけどそこがなんかいい
「なに?亜希ちゃん、かなたちゃんの裸に興味あるのかな?
実は私は亜希ちゃんの身体にはちょっと興味あるんだ~
特にこの胸とか、えい♪」
レナはそう言うと私の胸を掴んできた
「ちょっとっ!?レナさん・・・っ!?」
「おお~、これはなかなかいい物をお持ちですな~♪
こっちはどうかな?」
レナは私の胸を触りながら片手を下の方へと伸ばしてきた
「ちょっとっ!やめてよーっ」
「あはは、ごめんごめん、ちょっとしたスキンシップだよ♪」
うぅ~、スキンシップって・・・胸だけでなく下の方も触られた~(泣)
「さて、私達も着替え終わったことだし、行こ、亜希ちゃん、かなたちゃん」
着替え終わった私たちは体育館へと向かった
体育館に着いてしばらくすると体育教師がやってきた
「さて、今日は初日ということで両クラスの混成チームを作ってバスケットボールの試合をしようと思います」
先生の説明では5対5のハーフコートで試合を行うらしい
ふむ、バスケットボールか・・・
そう言えば女の子の体になってからあまり身体とか動かしてなかったな・・・
一体どれくらい力とか筋力とか落ちてるんだろう・・・うーん、ちょっと怖いな・・・
「じゃ、今から番号を呼びからチームごとに分かれて試合をはじめるように」
先生はそう言うと番号を呼び始め、私達はそれぞれのチームへと分かれた
「亜希さん、同じチームですね、よろしくお願いします」
「花梨さん、同じチームですか、よろしくお願いします」
私はクラスの受付嬢の花梨さんと、私の隣の席の水無瀬 紗由理さんと同じチームのようだ
紗由理さんはややカールがかかった長い髪が特徴で明るい感じの女の子だ
後は知らない子たちなので一組の生徒だろう
「私、足を引っ張っちゃうかもしれませんけど、よろしくお願いします
「いえ、それはお互い様です」
私達はそんなやり取りをしながらコートに入るとそこにはもう対戦相手が待っていた
その中にかなたさんやレナの姿があった
どうやら彼女たちが相手らしい
うーん、二人共なんか手強そうな感じだ
「これは・・・ちょっと勝ち目がないかもしれませんね」
「まあ、胸を借りると思えばいいのではないでしょうか?
頑張ってボコボコになりましょうっ!」
私がそう呟くと花梨さんが笑いながらそれに答えていた
花梨さん、それはなんか違うんじゃないかな・・・
「それじゃあ、第一試合と第二試合、同時にはじめるよ」
半分に分けたコートに4チームがそれぞれ入ると先生の笛の音と同時にそれぞれのチームのジャンパーがジャンプボールでボールをタップし試合が始まった
そしてタップされたボールが偶然にも私の手元にやって来る
(今の力と筋力を試すにはちょうどいい機会か・・・)
私はそう思いながらドリブルをし、ゴールを目指す
当然相手チームがボールを取りに来るが私はそれを難なく躱す
どうやら瞬発力は思ったより落ちていないようだ
私はこのままの勢いでゴールを目指していると目の前にかなたさんが立ちはだかった
「亜希さん、すみませんがこれから先には行かせません」
ゴールまでは目測4mくらいかな?
シュートを狙おうと思えば狙える距離だけど・・・問題はどれくらい筋力が落ちているか・・・
全力で投げていいのか、加減したほうがいいのか・・・
それに目の前のかなたさんの動きも気になるが、ボヤボヤしていたら周りを囲まれてしまい、どうにもならなくなる
(えーいっ!ままよっ!!)
私は心のなかで叫びながらジャンプし、全力でボールを投げたが力が強すぎたのかバックボードとゴールの間にに当たりボールは上へと弾かれてしまった
(外れたっ!?)
そう思った瞬間みんなが落ちてくるボールに気を取られている隙を付いて私は全力でゴールの近くへと走り、おもいっきりジャンプをすると落下中のボールを掴み、そして・・・
「はあっ!!」
そのままゴールへと全力で叩き込んだ
(ふむ、思ったより力も筋力も落ちていないみたいだな・・・
女の子の体になってからめっきり筋肉が落ちたような気がしたけど、大丈夫みたい)
私はそう思いながら着地すると辺りは静まり返っていた
気がつくと隣のコートで試合をしていた生徒たちまで私を見ている
「ダンク・・・シュート・・・?」
一人の生徒がそう呟いたその時・・・
「きゃぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!」
突然黄色い声が体育館に響き渡った
「亜希さんすごいっ!今のダンクシュートでしょっ!?
どうやったんですかっ!?」
「嘘でしょーーっ!?」
「亜希さん凄くかっこよかったですっ!!」
突然生徒全員が試合そっちのけで私を取り囲んできた
「ちょっとっ!皆さん落ち着いて・・・っ!!」
私は皆を落ち着かせようとするもこうなった女の子たちは止まらないようだ
誰か助けてっ!!
「みんなっ!授業中よっ!!戻りなさいっ!!」
先生が笛を吹き注意するとようやく皆戻っていった
助かった・・・
「亜希さん、ダンクシュートとはやってくれますね」
「ボクも本気を出しちゃうよっ!!」
どうやら私のダンクシュートを見て火が着いたのか、かなたさんとレナは闘争心を燃やしているようだ
ていうか、この二人熱血なの・・・?(汗)
結局力の限りを出し尽くした結果、試合はもつれにもつれ、結果は3対2で私たちのチームが勝った
勝ったのはいいけど・・・疲れた・・・
ちなみに次の授業に居眠りしてしまい先生に怒られたのは言うまでもない・・・
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