不適切な除染 作業員が実態を証言1月18日 19時39分
福島県内で放射性物質を取り除く除染作業を一部の業者が不適切な方法で行っていた問題で、NHKは不適切な除染を記録したとされる映像を独自に入手しました。
さらに、複数の除染作業員がみずから行った不適切な除染の実態を証言しました。
映像は先月、福島県田村市の避難区域で、除染を行う作業員を撮影したものです。
斜面の落ち葉を熊手を使って川に落としているように見えます。
本来、除染作業で出た落ち葉などは回収し、放射性廃棄物として厳重に保管しなればなりません。
また、このような不適切な除染が、田村市のほかの場所でも行われていたことを、除染作業にあたる下請けの複数の作業員が、NHKの取材に対して証言しました。
証言によりますと、取り除いた落ち葉や枯れ枝を周辺の山林や川に捨てていたほか、作業で土などが付着した長靴やシートなどを川の水で洗い流したり住宅の高圧洗浄で出た汚染水を川に流したりしていたということです。
また、作業用の車が山道のぬかるみを通った際にタイヤに泥が付かないよう除染作業で回収した枯れ枝をぬかるみに敷き詰めて放置したことも証言しています。
こうした行為は、自分たちを雇っていた3次下請けの会社の班長から主に指示されたと複数の作業員が証言しています。
作業員らは「工期が迫っていて作業を急がされた。解雇が怖くて指示には逆らえなかった。今は申し訳ない気持ちでいっぱいだ」と話しています。
この田村市での除染作業について、環境省は作業員などの関係者から事情を聞いた結果、誰が指示したのかなどの事実確認はできなかったものの、周辺の川べりに木が放置されているのを確認したことなどから、不適切な点があったことを認めました。
これについて、3次下請けの会社は取材に対し「事実関係について調査中であり、現段階では答えられない」と話しています。
また、除染作業の元請けの鹿島建設は「今の段階でコメントすることはできない」としています。
▽ 不適切除染5件確認 監視員増など防止策 (1月18日 12時19分)
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