布団から見上げると、としくんが私のことをじっと見つめている…

「あ、あのね……としくん……」

震える唇…私、とても緊張してる……胸のドキドキも止まらない
姉弟なのに…ううん、あのね、としくん…

「としくん、実は……姉さん、隠してたことがあるの。……姉さん、拾われたんだ。としくんのお父さんとお母さんに。」

「本当は、血のつながった姉さんじゃないの。ごめんネ…今までウソついてて…… 」

…首を振ってやさしく抱きしめてくれるとしくん。
暖かい……男の人ってこんなに暖かいんだ……

思わず目を閉じてしまう。
……ダメよ、私がしっかりしないと…としくんは一時の感情に流されているだけ…でも、ちょっとだけなら…

「やっぱり……だめ……」

感情を押し殺さなければいけない苦しみ…胸が苦しい…こんなに苦しいなんて…
そんな考えが頭をめぐる中。ふと、抱きしめてくれているとしくんの鼓動が聞こえる…

──トクントクントクントクン……

…早い鼓動…としくんも緊張してるんだね。なんだか、姉さん少し楽になっちゃった。
と、突然、としくんが口を開いて、こう言った。

「姉さん、初めて…?」

「姉さん…姉弟じゃなくて、恋人になりたい…」

「就職…しようと思うんだ…」