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DMAT拡充、災害医療体制を強化へ/神奈川

2013年1月18日

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出動に備え、ドクターカーに搭載している医療機材を点検するDMAT隊員=川崎市中原区の日本医科大学武蔵小杉病院

出動に備え、ドクターカーに搭載している医療機材を点検するDMAT隊員=川崎市中原区の日本医科大学武蔵小杉病院

 大規模災害発生時に最前線で医療活動を展開するDMAT(災害派遣医療チーム)の拡充を軸に、県などは災害医療体制の強化を図っている。発生から18年を迎えた阪神大震災の教訓から発足したDMATは現在、県内の19医療機関が配備。「本番」での迅速な活動を目指し、各チームは不測の事態に備えている。

 昨年12月18日午前9時27分、川崎市立川崎病院のDMATに出動要請が入った。首都高速湾岸線で起きたトラックなど5台が絡む玉突き事故。市消防局は車内に負傷者が閉じ込められていると想定し、現場での救命処置が必要と判断。3年半ほど前に発足した「川崎DMAT」が、初めて現場に向かった。

 交通事故での出動要請は、年明けの1月3日にも。いずれも救急搬送が可能だったため現場での救命処置は行わなかったが、「こうした機会が本番に向けた訓練になる」と市担当者。場数を踏むことで得られる課題を共有するため、今後も「身軽な出動要請」を消防局に働き掛ける考えだ。

 川崎市内の災害に備え市が指定する「川崎DMAT」は、同病院を含む3病院が組織。このうち日本医科大学武蔵小杉病院(同市中原区)は昨秋、県独自の「DMAT-L」の初研修を受けた。活動範囲を「市内」から「県内」に広げるためだ。同病院の松田潔救命救急センター長は「災害拠点病院としての責任に加え、災害医療に携わる医師らのモチベーションアップにつながる」と強調する。

 研修では、重症者を識別するトリアージのほか、災害現場での救護所設営、情報伝達訓練などを実施。国の追加研修(広域搬送)を受ければ、「日本DMAT」に認定され、活動の舞台は全国に広がることになる。DMAT-Lは、その“ステップ”というわけだ。

 県によると、2006年の制度発足時に4病院だった県内のDMAT保有医療機関は、昨年末時点で5倍の19病院に増えた。昨年12月に改定された県医療救護計画にも位置付けられ、行政や医療機関とともに災害発生直後における救護活動の核を担う。

 ただ、要請を待たずに出動する際の判断基準や指揮系統の統一といった課題も浮上。高度な機動力の確保に向け、医師らの模索が続いている。

 「災害時に素早く人命救助をするためには、訓練の積み重ねとチーム間の連携が欠かせない」と指摘する松田センター長は、「課題を克服し、さらに態勢を強化していく必要がある」と決意を新たにした。

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