連日の登板を想定し、毎日ブルペンで投球練習【拡大】
世界チャンプを育んだ石垣島で大事な終盤戦の防衛に備えるが、道のりは険しい。久保が雨風に見舞われた南の島で連日のブルペン入り。“守護神調整”で肉体のシフトチェンジを図るなど、新境地開拓へ模索中だ。
「例年より1度の球数を少なく、毎日ブルペンに入るようにしている。自分の体の反応やデータがない。50、60球で肩を作っていてはつぶれるので、30、40球程度で自分のボールが投げられるように対策している。少ない球数でパフォーマンスを出せるのが理想」
昨年12月。長年、虎の抑えを担った藤川がFAで大リーグ、カブスに移籍したのに伴い、任命された。本格的なリリーフ挑戦は初。週に1回の先発とは違い、日々、肩を作る必要がある。それだけにマウンドに立つまでの球数を減らすことが1年を戦い抜くためには重要だ。自主トレから連投を想定し、回復力などを把握している。すでに捕手を座らせて投げ込むなか、この日は39球の立ち投げを行った。
現状は「いまの(体の)張りは暗い」と苦笑い。ただ、立ちはだかる壁が高ければ高いほど、燃える男。日本人最多の世界王座防衛13度を誇る具志堅用高氏のスピリットにも触れていた。
「面識はないですけど、ああ、これが記念館という感じでした」
ロッテ時代に島内にある具志堅用高記念館を訪問。展示物のチャンピオンベルトや名勝負の映像に心が震えた。今季任されたストッパーはひとつのミスが勝敗を大きく左右する。最強ボクサーと通じる部分は多い。
「先発はトータルで抑えるが、リリーフは常にベストなボールが必要。1点取られたら終わり」
25日まで3勤1休のペースで汗を流し、キャンプに向かう。試行錯誤を繰り返し、守護神として開幕を迎える。(小松 真也)
(紙面から)