2011年05月26日(木) 09時41分13秒
塗装不良(はがれ その2)
テーマ:ことばを理解する
★今週の塗装用語
塗装不良(はがれ その2)
★★読み方
「とそうふりょう」 (はがれ その2)と読みます。
★★★意味
今週は、 「はがれ」 の 「その2」。
テーマは、
「はがれが、いつ、露見したのか」 によって、
塗装不良かそうでないかが決まる!
です。
製造業における塗装の場合、
多かれ少なかれ
大体次のような順番で製品化されていきます。
各部材の製造 → 検査① → 塗装
→ 検査② → 組み立て → 検査③
→ 出荷 → 販売
この流れでいくと、検査②の段階で、
塗膜がはがれていた場合は、問題外。
「塗装不良」 で言えば、
最たる不良。
品質異常という点では、
異常中の異常。
適合・不適合で言えば、
不適合にすら該当しない不適合の中の不適合。
と、いうことになります。
ところが、ほんの少し工程が進んで、
組み立て中に塗膜がはがれたりすると、
たとえば
「なにかにあたって
その衝撃で塗膜がはがれてしまった」 をはじめ、
少し厄介です。
これを不良と呼ぶか否かはともかく、
いったん組み立てがはじまってしまうと、
これから先は単独で塗装できなくなるため、
にわかに慌ただしくなってきます。
緊急のタッチアップ。場合には再塗装。
やれやれ。
同時に、金属塗装の場合、
脱脂不足によるはがれが露見するのは、
8割がこのタイミング。
組み立て中、もしくは検査③の段階で
発覚します。
特長は、
これを 「はがれ」 と呼ばずして
なにを 「はがれ」 と言うか!
鬼のような形相で叫んでもいいくらい
わかりやすくはがれてくれます。
もっとも懸念されるのが、
溶剤脱脂による 「脱脂洩れ」 ですが、
化成被膜処理が施されていても、
安心はできません。
「あきらかに脱脂不足」
というケースは少なくないのです。
さて、注目いただきたいのは、
さかのぼって
各部材の製造 → 検査①
の工程です。
じつは、この工程に
塗装不良(はがれ)の原因が
内在しているケースがあるのです。
すべての部材が、
塗装のことまで考えてつくられているわけではない
からです。
)いつの間にか鋼板の種類が変更されていた
)素材が収縮・膨張・亀裂・ひずみが発生する可能性があった
)被膜処理剤の液残りしやすい構造になっていた
)塗装しようにも、塗料が入らない構造になっていた
・・・・等々、塗装のことは、ほぼ眼中になし
と、いうときだってあります。
こうなると塗膜は、
はがれるべくして、はがれます。
要するに、塗装する前から
「塗装不良」 は、はじまっていたことになります。
かといって、
塗装のことだけを考えて手を打っても
他の工程からすると、
不都合が生じないとも限りません。
要するに、
塗装の前工程ではじまっている
目には見えない 「塗装不良」 の原因に目をこらし、
その上で「全体最適」をめざせ!
ということになるのですが、
これはまた、別(次週)の話。
以上、
塗装する前からはじまっている塗装不良(はがれ)は、
思いのほか手強いぞ
というお話でした。
★★★★この用語を使って会話する
「塗装の責任範囲って、思っていたより広いんスね」
「広いよ。海よりも広い。」
「知らぬうちに素材の種類が換わっていて・・・・」
「はがれてもナ。驚くしかないワな」
「責任持てないでしょ」
「持てない。責任感の強い人ほど持てない」
「どうするんスか?」
「だから、伝えるための言葉が必要なんだよ後輩」
★★★★★類語
「剥離」 「密着不良」 「層間剥離」
★★★★★★今週のコメント
次週は、「全体最適」 と 「部分最適」 のお話です。
★★★★★★★この用語の性質
用語の難易度 ★★★☆☆
用語の深み度 ★★★★☆
用語の面白度 ★★★★★
-- オガワ産業株式会社----------
すべては「塗装」のために
だからこそ「塗装環境」のために
いま、わたしたちにできること
↓ ↓ ↓
「塗装請負ドットコム」
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塗装不良(はがれ その2)
★★読み方
「とそうふりょう」 (はがれ その2)と読みます。
★★★意味
今週は、 「はがれ」 の 「その2」。
テーマは、
「はがれが、いつ、露見したのか」 によって、
塗装不良かそうでないかが決まる!
です。
製造業における塗装の場合、
多かれ少なかれ
大体次のような順番で製品化されていきます。
各部材の製造 → 検査① → 塗装
→ 検査② → 組み立て → 検査③
→ 出荷 → 販売
この流れでいくと、検査②の段階で、
塗膜がはがれていた場合は、問題外。
「塗装不良」 で言えば、
最たる不良。
品質異常という点では、
異常中の異常。
適合・不適合で言えば、
不適合にすら該当しない不適合の中の不適合。
と、いうことになります。
ところが、ほんの少し工程が進んで、
組み立て中に塗膜がはがれたりすると、
たとえば
「なにかにあたって
その衝撃で塗膜がはがれてしまった」 をはじめ、
少し厄介です。
これを不良と呼ぶか否かはともかく、
いったん組み立てがはじまってしまうと、
これから先は単独で塗装できなくなるため、
にわかに慌ただしくなってきます。
緊急のタッチアップ。場合には再塗装。
やれやれ。
同時に、金属塗装の場合、
脱脂不足によるはがれが露見するのは、
8割がこのタイミング。
組み立て中、もしくは検査③の段階で
発覚します。
特長は、
これを 「はがれ」 と呼ばずして
なにを 「はがれ」 と言うか!
鬼のような形相で叫んでもいいくらい
わかりやすくはがれてくれます。
もっとも懸念されるのが、
溶剤脱脂による 「脱脂洩れ」 ですが、
化成被膜処理が施されていても、
安心はできません。
「あきらかに脱脂不足」
というケースは少なくないのです。
さて、注目いただきたいのは、
さかのぼって
各部材の製造 → 検査①
の工程です。
じつは、この工程に
塗装不良(はがれ)の原因が
内在しているケースがあるのです。
すべての部材が、
塗装のことまで考えてつくられているわけではない
からです。
)いつの間にか鋼板の種類が変更されていた
)素材が収縮・膨張・亀裂・ひずみが発生する可能性があった
)被膜処理剤の液残りしやすい構造になっていた
)塗装しようにも、塗料が入らない構造になっていた
・・・・等々、塗装のことは、ほぼ眼中になし
と、いうときだってあります。
こうなると塗膜は、
はがれるべくして、はがれます。
要するに、塗装する前から
「塗装不良」 は、はじまっていたことになります。
かといって、
塗装のことだけを考えて手を打っても
他の工程からすると、
不都合が生じないとも限りません。
要するに、
塗装の前工程ではじまっている
目には見えない 「塗装不良」 の原因に目をこらし、
その上で「全体最適」をめざせ!
ということになるのですが、
これはまた、別(次週)の話。
以上、
塗装する前からはじまっている塗装不良(はがれ)は、
思いのほか手強いぞ
というお話でした。
★★★★この用語を使って会話する
「塗装の責任範囲って、思っていたより広いんスね」
「広いよ。海よりも広い。」
「知らぬうちに素材の種類が換わっていて・・・・」
「はがれてもナ。驚くしかないワな」
「責任持てないでしょ」
「持てない。責任感の強い人ほど持てない」
「どうするんスか?」
「だから、伝えるための言葉が必要なんだよ後輩」
★★★★★類語
「剥離」 「密着不良」 「層間剥離」
★★★★★★今週のコメント
次週は、「全体最適」 と 「部分最適」 のお話です。
★★★★★★★この用語の性質
用語の難易度 ★★★☆☆
用語の深み度 ★★★★☆
用語の面白度 ★★★★★
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