悠言録[2010年04月28日] 京都大学法学部を卒業し、28歳の若さで衆院議員に初当選したものの、3期目の挑戦で落選した中村哲治氏。その落選の原因を妻に押し付け、DV(ドメスティックバイオレンス)を繰り返し、妻を自殺に追い込んでいたという▼遺族や友人らの証言で明らかになったものだが、自らの不徳の至らなさを最愛の妻に押し付け、自分の母親の前で土下座させたというに至っては、政治家どころか人間として許される行為では断じてない▼その中村氏は、いま民主党の参院議員で法務大臣政務官だが、民主党はこの事態を受け、適任かどうか判断すべきではないか。遺族らの証言が事実ならば、まさに中村氏はDV防止法を犯した疑いが濃厚である▼このような人物に法務省を担当する大臣政務官が務まるのか、極めて信じ難い。まして中村氏は参院議員で政治家であること以前に、人間としてその人格が疑われても仕方がないだろう▼中村氏の妻は、法曹界を目指し法科大学院に入学したその5日後に自ら命を絶ったのである。その直前に中村氏から逆切れされ、責めたてられたといい、妻は友人に「自分がみじめだ」と記したメールを送っていたという▼なんと悲惨なことだ。自分の娘がこんな目に遭わされたとしたら決して許さない。中村氏は公人中の公人として、厳しくその責任が問われるとともに、人として、夫として遺族らに謝罪し妻を死に追いやった責任を明確にすべきだ。(純) |
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