日揮現地社員に木山聡さん…アルジェリア邦人拉致

　アルジェリア南東部イナメナスでプラント建設大手の日揮（本社・横浜市）の日本人駐在員らが国際テロ組織アルカイダ系武装勢力に拘束された事件で、アルジェリア政府は１７日、武装勢力への攻撃を開始した。モーリタニアの通信社は、この攻撃で人質３５人と武装勢力１５人が死亡したと報道。一方、ロイター通信は人質２５人が脱出したと報じるなど、情報が錯綜（さくそう）し、日本政府は事態の把握に追われた。

　アルジャジーラの電話取材に応じた「サトシ・キヤマ」さんについて、日揮は１７日夜に会見し、事件現場でエンジニアとして働いていたが、現在は連絡が取れなくなっている木山聡さんという社員がいることを明かした。

　横浜市の本社で報道陣に応対した広報・ＩＲ部の遠藤毅部長は「報道が真実であるかどうかについて関係各所に情報収集している」とした。取材に応じた負傷者と木山さんが同一人物である確証はないとしたが、職場の同僚や家族は「声が似ている」と話したという。木山さんは建設部所属で、現場の総責任者を支える役職で派遣されていた。

　同社は首都アルジェの事務所と連絡を取って事件の概要は把握しているというが、拘束された人数や当時の状況など詳細については人質の安全確保の観点から公開していない。

　同社は、一両日中にも役員を含めた数人の社員を現地に派遣予定。遠藤部長は「一刻も早く救出されるよう、日本政府とアルジェリア政府に全力で働き掛ける」とした。

（2013年1月18日06時03分  スポーツ報知）

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