もう一つの反対理由が、悪質ドライバーによる交通事故の懸念だ。
関係者によると、現在でも正規の乗り場ではなく、阪急百貨店の東西にある歩道橋下付近で客待ちするタクシーが多い。このため、百貨店沿いの道路で車を数十メートルバックさせて客を拾うなど危険な運転をするドライバーもいるという。
大阪府警曽根崎署によると、歩道橋下付近でタクシーのバックが原因となった事故は平成23、24年の2年間で13件発生し、うち2件は人身事故だった。同署は重大事故に発展する可能性があるとして昨年から取り締まりを強化。タクシーのバックを「道路右側の逆走」と判断し、道交法違反容疑でドライバー46人を摘発した。同種の摘発は全国でも例がないという。
一方、近畿運輸局は、業界団体側の反発が大きく、期限が迫っていることから、業界団体や大阪府警などと対策を話し合う協議会を設置し、昨年12月から議論を重ねている。