'13/1/18
錦帯橋架け替えへ手法実験
8年後にも実施する錦帯橋の架け替えをめぐり、岩国市は、継ぎ目の止水に樹脂材を使って橋の腐食を防ぐ現在の手法を改良する方針を固めた。新年度、錦帯橋近くの吉香公園内に実験橋をつくり、さまざまな手法を試す。
人が歩く橋板と橋板の継ぎ目は現在、長さ約4・5メートル、幅1センチ、深さ7センチ。市は継ぎ目の幅を変えたり、樹脂材を含むさまざまな材料を使ったりしてつくった幅3メートル、長さ5メートル程度の小規模アーチ橋を吉香公園内に設ける。これを実験橋として観光客らに渡ってもらい、数年の経過を見て、適切な方法を探るという。
継ぎ目はかつて銅板で覆われていたが、滑りやすいため、平成の架け替え(2001〜04年)に伴い樹脂製シーリング材に。だが、同材もヒールなどで踏まれて劣化するとひびに水がたまって橋の腐食の原因になる。4年程度で修繕が必要なため、より効果的な方法を採用したいという。
市は、錦帯橋本体で11年から昨年末まで、縄状にしたヒノキの皮を使う江戸期の技法「のみ縄」も試行。のみ縄は水を染み込ませるが、早く乾燥する方法があれば、伝統技法を取り入れられるとして、これも含めて検討する。
【写真説明】樹脂製シーリング材で埋められた橋板の継ぎ目(手前)