サブカテゴリー

PR:

アルジェリア拘束 人質救出へ軍が攻撃開始…邦人1人負傷?

 アルジェリア南東部イナメナスでプラント建設大手、日揮(本社横浜市)の日本人駐在員ら外国人多数が拘束された事件で、菅義偉官房長官は17日夜、緊急記者会見し、アルジェリア軍が人質解放のため攻撃を開始したと、同国駐在の英国大使館から情報提供があったことを明らかにした。2邦人の脱出情報があるが未確認。中東の衛星テレビは人質35人が死亡したと報じたが、情報が錯綜(さくそう)しており、政府は確認に追われた。

 予定から約10分遅れで始まった緊急会見。菅官房長官は厳しい表情で「(日本時間午後)9時10分、アルジェリアの英国大使館から日本大使館に、アルジェリア軍が人質解放のため攻撃を開始したとの情報提供があった」と話した。邦人の安否については「確認中」とし、質問を受けずに、わずか2分で退室した。

 多くの情報が錯綜し、日本大使館、政府、外務省は確認に追われた。共同通信が伝えるロイター電によると、アルジェリア治安当局の話として日本人2人を含む人質25人が解放された。一方で、ロイターは現場付近の住民の話として、アルジェリア軍が犯行グループの車を破壊し、多数が死亡したと報じた。

 アルジェリアのテレビは、人質の外国人15人がガス田施設から脱出したと報じた。また中東の衛星テレビ局、アルジャジーラは、アルジェリア軍が現場を空爆し、犯行グループのリーダー格を含む15人を殺害、35人の身柄を拘束したと伝えた。その後、同局は「人質35人と武装勢力15人が死亡した」と報道を修正した。

 アルジェリアの隣国モーリタニアの通信社は、ヘリコプターがガス田を空爆し、日本人2人が負傷したと伝えた。また、日本人1人を含む7人が依然、拘束されていると伝えた。岸田文雄外相は報道陣に「いろんな情報がある。確認している」とだけ話した。

 犯行グループは、モーリタニアの通信社を通し現地時間16日夜(日本時間17日未明)、41人の外国人の拘束を発表。人質の出身国は日英米のほかフランス、オーストリア、マレーシア、ノルウェーなど。犯行グループは隣国マリの内戦に介入したフランス軍の作戦停止を要求していた。

 日本政府関係者は日本人の人質について「少なくとも3人が拘束され、10人の安否が不明」と説明。アルジャジーラは「日本人1人が負傷した」と報道。電話取材に答えたという日本人男性は「16日のアルジェリア軍による銃撃で負傷した。ケガは深刻ではない」と語った。アルジャジーラは男性の名前を「サトシ・キヤマ」だと報じた。日揮によると「木山聡」という現地駐在員がいるという。

 フランスのメディアによると、人質の同国人が電話インタビューに「一部の人質に爆発物の付いたベルトが取り付けられた」と話したという。

 犯人グループは当初、治安部隊が突入すれば人質全員を殺すと警告。アルジェリアのウルドカブリア内相は同国のテレビに対し「(犯行グループと)交渉をするつもりはない」と明言。外国人の人質に被害が出る恐れがあっても軍事作戦を強行する可能性があることを強く示唆していた。

[ 2013年1月18日 06:00 ]

Webtools & Bookmarks
Yahoo!ブックマークに登録

注目アイテム

ニュース

注目アイテム

クイックアクセス
【楽天】オススメアイテム
スペシャルコンテンツ