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橋下市長、桜宮高自殺問題で“強権”も…対応に賛否

強権発動をちらつかせる橋下市長
強権発動をちらつかせる橋下市長
Photo By 共同 

 大阪市立桜宮高バスケットボール部主将の男子生徒=当時(17)=が顧問(47)の体罰を受けた後に自殺した問題で、橋下徹市長は17日、同校の体育系部活動の全顧問教諭について、2013年度も残留すれば給与などの人件費を執行しない方針を明らかにした。同校の体質改善に向け市教委をけん制する狙いとみられるが、職権にものを言わせる強硬な手法に異論も生じそうだ。

 橋下市長はすでに、同校の全教員を別の学校に異動させることを市教委に要請しているが、この日の会見で「体育会系の顧問の総入れ替えは絶対に譲れない」と要求を引き下げたうえで「もし13年度もいるとなれば、体育教師としての人件費は執行しない」と述べた。

 教員の人事異動の権限は市教委にあるが、市教委の予算の編成、執行権は市長が握っている。市教委が自らの意に反した人事を行った場合の“強権発動”をちらつかせ、クギを刺す狙いがありそうだ。

 桜宮高では体罰がまん延している実態が次々と明るみになっており、橋下市長は「生徒が死んだ。越えてはいけない一線を越えたから、高校の伝統を断ち切る」と、同校の体育会系学科の入試中止を求めるなど、体質改善に向けた大胆な方策を次々打ち出している。

 ただ「やり過ぎ」「受験生に罪はない」などの否定的な意見が市教委に殺到するなど、橋下市長の発言は波紋を広げている。そんな中、市長権限を振りかざして持論を通そうとするやり方や、極端とも言える方針について、あらためて疑問の声が上がりそうだ。

 この日、橋下市長は市教委が正式に入試中止を拒否した場合、予算面で対抗措置を取ることも合わせて示唆。「予算の執行権は僕の権限。教育委員会の決定に自動的に予算が付くわけではない」と述べた。市教委は21日の会議で最終判断する。

 さらに「市ではもう高校はコントロールできない。大阪市が高校を持ってるのは大問題」と、市立高を大阪府へ移管する考えを重ねて示した。

 下村博文文部科学相は橋下市長が市教委に要請している方針について、「市立高なので市長の判断は受け止める」としたうえで、「桜宮高は教員を入れ替えて済むといえるかもしれないが、他の学校でも体罰はあると思う。1校の解決で済む話ではない」と慎重な見方を示した。

[ 2013年1月18日 06:00 ]

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