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閉鎖病棟からの告発

京都で、このような事件もあったようです。

医療に名をかりた拉致・監禁の恐怖
http://www.atworx.co.jp/works/pub/57.html

一人の女性が、町長・町職員と医師によって拉致・監禁され、精神病院の閉鎖病棟に強制入院させられた。 その後に退院、地裁では画期的な判決を勝ち取ったが…。 実際に起こった拉致監禁・強制入院の事件をもとに、精神医療現場の暗黒を抉り、疑問を突きつける当事者の恐るべき体験告発書。(アットワークス出版)


虚しい「人権」の掛け声!厚労省は、放置?

読売新聞の佐藤記者の精神医療コラム「精神医療ルネサンス」に驚くべき記事が掲載されている。
厚労省は、「拉致」の事実を放置するつもりなのだろうか?

知らないうちに、こんなことが至るところで起きている日本の現実であれば、行政の「人権」の掛け声連発が
虚しく響く。厚労省は、精神医療の実態を、もっと真剣に調査するべきだ。

ならず者医療(1) 「拉致」された女性
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=70048

ならず者医療(2) 「それは拉致です」と厚労省
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=71184


イタリア・トリエステの精神保健/補足

この映像で、トリエステの精神保健センター所長が述べている通り、まず知ることが大事なのでは・・。

 


嘉田知事、公の場で愚痴を言うのは政治家失格

嘉田知事がまたまた驚きの発言。
出たくなかったのに、小沢氏に騙されたというような言い訳内容を後援会の新年会で述べたとのこと。

<1月13日朝日新聞デジタル>
あなたが出たら100人当選」小沢氏、嘉田氏を説得?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130113-00000037-asahi-pol

訴訟の被告として、県知事として、嘉田知事の政治姿勢に疑問があるので、嘉田知事の動向を取り上げてきたが、お粗末すぎる言動続きにはあきれるだけだ。


大津市が、大津市自治連合会のチェック体制強化

このホームページ上でも度々指摘してきた大津市自治連合会の問題であるが、H23年に大津市から青山学区自治連合会に支出した補助金の一部が不正使用された疑いが明らかになり、大津市が今後チェック体制を厳しくする方針を定めたとのことである。

H23年の青山学区もそうであったが、大津市自治連合会でも一部の自治連合会長や役員だけが情報を握り、一般の住民へ説明責任を果たさない情報封鎖体制に対しても、大津市にはメスを入れていただきたい。(この情報封鎖に関しては過去の投稿をご覧いただきたい)
日常の問題では、連合会だけの協議でも差支えないと思うが、学区全体の問題、大きなお金が動くような問題には、しっかり住民へ告知するべきである。

青山学区では、こうした経緯を踏まえ、H24年度の現青山学区自治連合会として、告訴状を提出したとのことである。また、青山学区自治連合会の会則や抜本的な見直しを進めていたようであるが、これに関して、医療観察病棟の問題のときには、躍起になって反対運動を止めていた一部長老族が「告訴状」に関して、現連合会執行部へしつこいまでの質問を浴びせていたという情報もあり。しっかりした管理体制と開かれた連合会体制を進めることに、なぜそれほど責めるような質問をするのか疑問に思うところである。

また、大津市自治連合会の懇親会では、コンパニオンを呼ぶことを常態化しているという情報もあり。(会費は連合会から捻出しているとのこと)懇親会とはいえ公的な集まりの連合会の会として適切かどうかも検証していただきたい。大津市民の皆さんは、この件を大津市自治連合会の担当課である大津市自治協働課か越市長の秘書課にでも電話やメールで確認してみて下さい。

下記は京都新聞(H24年12月26日)より
京都新聞(H24年12月26日)

大津・自治連補助金 不正使用疑惑 市、新管理体制提案へ

昨年7月の琵琶湖の一斉清掃をめぐり、大津市が青山学区自治連合会に支出した補助金の一部が不正使用した疑いが明らかになった問題で、これまで領収書などで適正使用を判断していた同市は25日までに、詳細な購入品が明示されたレシートなどの提出を求めるなど、チェック体制を厳しくする方針を決めた。
琵琶湖の一斉清掃は大津市では1972年から実施され、市や自治連合会などでつくる「琵琶湖を美しくする運動実践本部」が主催。例年、約500万円の補助金が市から同本部に支給され、市内の全36学区の自治連合会に分配されている。
昨年、青山学区に分配されたのは約11万円。同学区はパッカー車の使用料5万円とごみ袋など消耗品約6万円を計上、市に報告した。清掃とは無関係とみられる日用品も含まれていたが、市環境政策課の担当者は口頭で確認しただけだった。
京都新聞社が情報公開請求したところ、昨年、購入品目が明示されていない領収書などで報告していたのは計16学区あった。同課は「自治連合会との信頼関係を前提に、領収書の確認だけで済ませてきた」といい、来年の同本部役員会で新たな管理体制を提案する。(田代真也)


愚策を強行の滋賀県との対比③イタリア・トリエステの精神保健/地域生活支援

精神障害者の住まいの状況は、厚労省資料の「平成23年度 障害者の状況」の「精神障害者社会復帰サービスニーズ」によると下記の通りである。

「平成23年度 障害者の状況」
http://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/h24hakusho/gaiyou/index.html

「精神障害者社会復帰サービスニーズ等調査」
http://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/h24hakusho/gaiyou/zuhyo/zuhyo13.html

家族と同居が76.8%。グループホームはたった1.7%である。
滋賀県では、精神障害者家族会の高齢化が顕著である。家族会だけでなく、家族会に入っていない人たちが声を出しやすい環境と周りの人が支える社会になっているかどうか・・。そうした社会の環境、助けを言いやすい仕組みを作り出すことに施策を向けるべきである。重厚な医療観察病棟の建設を進め、住民に偏見を植え付け、精神障害者を再犯のおそれだけで裁く。ノーマライゼーションを進めるのであれば、法も区別するべきではない。精神障害があろうがなかろうが、社会が安定して暮らしやすければ犯罪は起りにくい。精神障害者を政治家の無能と行政の怠慢の犠牲にすべきでない。


内閣府の共生社会政策・・誰もが暮らしやすい社会を創る

内閣府の政策に「共生社会」というものがあることを知ってますか?
その中の障害者施策の項目に、「誰もが暮らしやすい社会を創る」とある。
http://www8.cao.go.jp/souki/index.html

障害者が自立した生活を送る上で欠かせないのが、生活基盤の安定である。
滋賀県の障害者(精神、知的、身体)授産施設等の平均工賃月額は、13,049円で全国23位。お隣の福井県は16,621円で全国1位。
また、ハローワークを通じた就職率は、43,1%で全国33位。福井県は65.5%で全国2位。
授産施設等は頑張っているようだが、官・民含めた総合的なバックアップ体制と協力がもっと必要である。
1人1人の生活基盤の安定こそ、社会復帰が現実のものになる。

<共生社会政策関係 都道府県別指標データについて・・H24年1月現在>
http://www8.cao.go.jp/souki/shihyo/index.html#5


愚策を強行の滋賀県との対比②イタリア・トリエステの精神保健/精神保健センター

トリエステの人口約24万人。
イタリアのトリエステでは、精神保健センターが7か所あり、そこでは精神障害者や家族の相談支援、往診などにあたっている。
365日稼働の24時間体制である。(昼間の救急、往診、危機介入、無休)

トリエステの地域精神保健センターには、下記サービスがある(精神病院を捨てたイタリア捨てない日本/大熊一夫氏著より抜粋)
●総合病院(8床のみ)昼夜に関係ない救急活動
●グループホーム12軒72人
●就労共同組合
●工芸工房
●当事者自助グループ
●女性のための精神保健
●家族との協力
●刑務所への出前診療
全医療保健予算の4.9%が精神保健に(住民1人当たり日本円で7~8千円)

対比して、滋賀県の人口は約141万人。精神保健福祉センターは1か所(精神医療センターに併設)
http://www.pref.shiga.jp/e/seishinhoken/
他に各市の障害福祉課や保健所が相談にあたっているようだ。しかし、障害福祉課には、精神の相談支援専門職は配置されていない。また、保健所は、精神科医につなげるのが前提のようで、様々な専門員による総合的なチーム体制の支援でもなければ24時間体制でもない。
参考まで(大津市保健所)
http://www.city.otsu.shiga.jp/www/contents/1213764775557/index.html


滋賀県の社会復帰施設は不足

嘉田知事が、県のHPで医療観察病棟の建設に関して、滋賀県内の精神障害者は2万5千人いるから、この方たちの社会復帰に理解してほしいと発言している。この発言こそ、非常に偏見の含んだものであることにどれだけの人が気づいているだろうか。
精神障害者が全て医療観察病棟に入院するような誤った発言である。

滋賀県の医療観察法の入院対象者は、2人~5人ぐらいである。

また、全国では、300万人の精神障害者がいると知事は発言している。

医療観察病棟へ入院している全国の対象者は、642人(H23年12月31日のデータ)。

<医療観察法 入院対象者の状況>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/sinsin/nyuin.html

指定入院医療機関の整備状況では、676床整備済みである。間に合っている・。
この疑問も病院事業庁へ何度か質問をしたが、明確な回答は得られなかった。

<指定入院医療機関の整備状況>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/sinsin/iryokikan.html

13億円も使い、要塞のような特殊病棟を建てる。
2万5千人の精神障害者が必要としているソフト面の人的支援とハード面の施設は不足。
医療観察法の建設費や運営費には、かなりの予算がつぎ込まれるが、地域の社会復帰施設は、全く足りない。
これで、社会復帰が促進出来るのだろうか?

精神障害者・福祉関係施設①

精神障害者・福祉関係施設②

精神障害者・福祉関係施設③


どう促進するのか?滋賀県のお粗末な社会復帰計画

平成22年9月県議会の厚生・産業常任委員会で、病院事業庁が議員に配布した資料には、補正理由として「県の責務として社会復帰を促進する」とある。
嘉田知事も県のHPで「精神障害者の社会復帰のために」と題して発信している。
http://www.pref.shiga.jp/n/byouin/iryoukansatsu/main.html

9月厚生・産業委員会・配布資料(整備)

9月厚生・産業委員会・配布資料(概要)

しかし、社会復帰についての具体的な資料は配布されていない。
計画前に、社会復帰の受け入れ施設などには、県は全く話もしていなかった。
H23年の秋の説明会時に、岡江元室長がやっと1か所へ挨拶に回ったところであると発言している。


社会復帰調整官は不足!縦割り弊害だらけの医療観察法

医療観察法の対象者の社会復帰支援に関わるのは、法務省管轄の社会復帰調整官である。

精神保健福祉士など8年以上の実務経験を積んだ専門的資格を持った人が、法務省に採用され、支援にあたる。
この社会復帰調整官であるが、H21年では全国でたった98人。その後、少しずつ増えているようだが、人員が足りない。

平成22年日本精神保健福祉士会の「心神喪失者等医療観察制度における地域処遇体制基盤構築に関する調査研究事業」
http://www.japsw.or.jp/ugoki/hokokusyo/20100331-5.html

P133体制整備の遅れ

滋賀県もこの計画時は、保護観察所に1人であった。H23年10月にもう1人増やしたとのことであるが、多くのスタッフと莫大な建設費と運営費をつぎ込む医療観察病棟と比較して、お寒い限りの社会復帰支援体制である。

社会復帰に関係する福祉施設や福祉関係者は厚労省の管轄。

その中で、地域の乏しい社会資源から支援にあたる法務省管轄の社会復帰調整官の労力は大変なものだと推察する。

滋賀県病院事業庁の職員には、病棟のことしか念頭になく、病棟を出た後のことは管轄外というスタンスである。医療観察法は、対象者の社会復帰を促進することを目的とする。その大前提を無視して、計画を進めること自体、法の趣旨に反している。
このことが縦割り思考の病院事業庁の職員には全くわかっていない。
専門家までが有効な治療法がないと言っているのに、効果が見えない治療だけに頼り、生活支援の視点が欠落している。

縦割り弊害は厚労省と法務省にも言える。共同で進めるとあるが、情報の共有化は図られていない。
そもそも心神喪失で病気として罪にならなかった対象者が、法務省管轄に移行すること自体、おかしなものだ。
本気で社会復帰支援をするのなら、福祉施設や福祉サービスを統括する厚労省が責任をもって支援にあたるべきである。

また、法の規定による社会復帰調整官の支援は3年間(延長2年)だけである。その後の支援体制がどうなっているのかは不透明である

P141実情と課題

P7地域処遇におけるいくつかの課題

一般精神障害者の社会的入院の解消や資源も乏しい中、司法精神医療の対象者の社会復帰はもっと難しい問題である。 そこをしっかり整備もせず、このような特殊な法の病棟建設を進める縦割り思考の行政は無責任極まりない。

 


課題の多い医療観察病棟!社会復帰のハードル

<医療観察病棟 入院治療と処遇>

<医療観察病棟 孤立感と社会復帰のハードル>

厚労省などがいう 最高水準の治療(どんな治療かはわからない)をしながら、法務省の資料にあるように再犯率の改善になぜつながらないのだろうか。医療観察病棟の中だけスタッフが多く手厚くても、社会復帰後の受け入れ態勢が手薄であれば、どんな治療も無駄になるのでは・・。

<法務省:重大再犯精神障害者の統計的研究>
http://www.moj.go.jp/housouken/housouken03_00032.html


精神医療業界の実態⑧

「巨利をむさぼる精神医療業界 第8章 事実を知ろう」


滋賀県民として恥ずかしい。嘉田知事、お騒がせな結末

嘉田知事は、日本未来の党の代表を辞任して「顧問」に就任する模様。
周りの滋賀県民からは、「滋賀県民として恥ずかしい」という声が多数聞こえてくる。
このホームページでも、知事の言葉の軽さをずっと訴えていたが、まさかこれほどの短期間で変節とは・・・。
日本未来の党に投票した有権者の思いはどこに行くのだろうか。
政治不信に拍車をかける結末となった。
大津市のいじめ問題、嘉田知事のお騒がせ政治騒動とつづく滋賀県のイメージ低下は大きい。
そして、住民を相手に行政が意固地な訴訟へと突入状態。
ますます、滋賀県行政のマイナスイメージが膨らむだけである。やる気のある県職員の士気の低下も懸念される。

<日テレ NEWS24>
滋賀・嘉田知事、未来の党代表辞任を表明
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20130104-00000034-nnn-pol

<産経新聞>
惨敗、分裂、足元からの批判…嘉田氏、四面楚歌の末「白旗」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/619401/

<京都新聞>
嘉田氏、未来代表辞任を表明 陳謝し「知事職に専念」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130104-00000011-kyt-l25


愚策を強行の滋賀県との対比①イタリア・トリエステの精神保健/バザーリア改革

新年明けましておめでとうございます。

2013年を迎えてもこの医療観察病棟建設の問題は続いている。
住民訴訟による公判も引き続き行われる。

滋賀県が、住民と争ってまで、建設を強行しようとすることが、どれほど愚かなことか・・。
医療観察病棟建設は、歴史に残る愚策である。後で歴史に必ず裁かれる。

治療しても効果がない(治療したほうが再犯が増えているというデータもあり)、自殺者が増えているなどの司法精神医療の医療観察病棟の問題を考えることと並行して、一般精神医療(入院や在宅を含め)の問題をどうすべきかを考え反映させる。実際、一般精神医療改革をしたトリエステでは司法精神医療機関へ入院する患者が減少しているとのこと。

世界から100年立ち遅れていると言われている日本の精神医療。
イタリアのバザーリアの精神保健改革は、どのような形で今に受け繋がれているか・・。
地域社会はどうあるべきか・・・。
映像を随時紹介していきたい。

まずは以前紹介したイタリア・トリエステの精神保健/バザーリア改革 から

 


怒涛の1年を振り返る

医療観察病棟建設計画が浮上してから2年目。
反対運動が起き、このホームページを開設してから1年以上経つ。

当初、滋賀県から住民へ配布された説明会資料は限りなく薄く、内容も簡略したものだった。
疑問点を質問したら、説明会資料は少し厚くなり、内容も少しだけ詳しくなった。
その後、質問しては資料内容が増えることの繰り返し。

滋賀県の未来を真摯に考えて計画しているようにはみえなかった。
医師補充の資金源欲しさのために、 駆け込みで手を挙げたことは、精神保健福祉審議会の関係者の発言録で後々わかった。

計画を立てた責任者たちは、住民の反対運動が起きた時に、なぜこの計画を進めるのか、詳細なデータ(集めようと思えばすぐ入手出来たはず)を元に住民の前で説明すべきであった。しかし、そうはしなかった。出せない理由は公文書などを調べて推測出来た。

そして、計画責任者はというと••
村木元病院事業庁長は、一部の住民と裏で会合するため隠密訪問(H24年1月)し、反対運動を沈静化しようとしたにも関わらず、早期退職。

H22年計画時の谷口元病院事業庁長は、3度目の職場で(県総務部長→病院事業庁長→滋賀県監査委員)、自身が関わった建設計画で住民監査請求を起こされている状況を知りながら、全く知らんぷり。

福井前病院事業庁長は、市長選に出るためさようなら。

そして、最高責任者でもある嘉田知事は、家族会に会うこともせず、住民が渡そうとしたファイルも拒絶し、地元に足を運ぶこともなかった。県内の様々な問題に向き合うこともせず、国政に羽ばたいて逃げ出そうとしたのは記憶に新しい。

また、計画を立案したであろう元厚労省出身で精神科医でもある苗村室長は、反対住民がいるところには行きたくないということで、青山学区に説明に来ることはなかった。

大津市自治連合会はどこを向いて運営されているのか不透明感が浮き彫りになった。
当地域もこの問題が浮上した早い時期(H23年の春)に自治連合会が行動を起こしていたら、これほどの大きな動きにはならなかったはず。

自称地域のご意見番(地域の若い人たちは誰もそう思っていない)長老族は、反対住民に対して「国が決めたことにごちゃごちゃ文句言うな」「騒ぎたてたら問題のある地域にみられる」「反対意見がバラバラなのはおかしい」など、自由な発言を止め、それこそ統制、抑圧した考えを押し付けようとしてきた。自分たちに関係ない問題にはとことん無関心。しかし、公の場では、「人権のために必要だ」ともっともらしいことを述べていた。

行政も地域の一部長老族も「権威のある人たちが言っているから」ということをしきりに言っていたので、「権威」のある人の発言や業績などを調べたが、さっぱり権威のすごさを感じられなかった。

京都から「精神科医の権威」を連れて来たと県職員の人たちが言っていた。県の言う「権威」の岡江元室長の話であるなら、よくわかるだろうと説明会にのぞんだが、聞けば聞くほど混乱するばかり。しまいには何が言いたいのかよくわからず、眠くなる始末。「権威」は、催眠療法を駆使するのかと思った。

元厚労省の官僚権威の苗村室長には、1対1で質問したにも関わらず、「あなたとは話をしない」と言われた。
地域の代表からの質問しか受け付けないとのこと。さすがに縦社会でそこそこの地位になった方は、しかるべき人を通さないと話をしてくださらなかった。危なくなったら部下を置いて逃げ出す(訴訟説明会時の一コマ)素早さと自分だけを守る術が、出世には必要なのだろう。

そして、最も滑稽なのは、何の権威もないはずの地域の一部長老族が、権威があるかのように振る舞い(ほとんど自己満足の世界)隠された真実を明るみにする作業、暗闇から光に出すことを止めようとし続けたことだ。

地域の人たちが感謝を捧げるのは、ゴミの清掃や草刈りなど、額に汗して街のために尽力、奔走してくれる方たちに対してである。自称ご意見番の長老族のことなど、地域の子どもたちは誰も知らない。

大(国)、中(県)、小(地域)も構図が全て同じであることがわかった。見るべき人を見ず、聞くべき人に聞いていない。

この建設計画は、精神保健福祉審議会の具申を受けて進めたと知事は 、発言している。精神保健福祉審議会メンバーはほとんど精神科医などの医療関係者か一部の福祉関係者などである。いわゆる権威ある人々で構成されている。当事者や地域住民の声は反映されていない。真剣に「共生社会」を目指すのなら、多様な意見の当事者たちに参画させるべきである。そして、揉めながらでも対話を重ね、滋賀県ならではの「精神保健」を構築すべきであろう。そうしたことを全くしなかった 滋賀県の姿勢は残念であった。

様々なことが目まぐるしく起きた1年間であった。
大変疲れた1年間でもあった。そして、思いもよらず1年以上発信している。
しかし、今後もより良い地域社会(環境)を模索して、理不尽な事柄にはNoと言いましょう。
何はともあれ、2013年もよろしくお願いします。


ジル・シュミットのレポート③とバザーリア映画

ジル・シュミット「自由こそ治療だ」から抜粋。

診断とはしばしばある人の現実の生活の困難さにつけるレッテル以外の何ものでもない、ということ。
医師自身の間でもしばしばこのレッテルに関し全然一致しない、ということが次第に看護者にわかってくる。
彼らはまた、薬物が特異的な作用をもっているのではなく、純粋に試行的に処方され、何の基準もなく再び中止されるということに気づく。またもっとも初期の電気ショックは、頭を丸太ん棒でたたくこととあまり変わらないものであり、効用についても科学的説明がないということがわかってくる。そして、また、精神療法とは雑談以外の何ものでもないとわかるのだ。(中略)

ショック療法で治療するのは患者でなく、いわゆる健常者なのだ。
彼らの使うショックとは自由ということである。「自由こそ治療だ」と病院の壁に赤い文字で書いてある。だがそれが「内部」にいる患者の問題だと思う人がいるとすれば、それは間違いである。
「自由」というショックは「外部」にいる人々にも不安をひき起こす。バザーリアは語っている。
「私たちが数年前病棟を解放し、患者を外出させたり、住民を病院に招待したとき、街全体は恐怖に陥った。
そのために当時、街は『精神医療』 という現象に直面することになった」

イタリアでは、バザーリアの改革を描いた映画が制作され上映。日本でも「180人のMattoの会」が中心になり、各地で自主上映している。
http://180matto.jp/

バザーリアの改革がどのような道を辿ったのか、イタリアの精神保健とは・・。
バザーリアの精神保健改革については、ジャーナリストの大熊一夫氏の著書「精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本」に詳しく掲載されている。

明日は、2012年最後の日。この1年間を振り返り、関係者とのやりとりで感じた裏話を思いつくまま書きます。


ジル・シュミットのレポート②

ジル・シュミット「自由こそ治療だ』から抜粋。

(バザーリアの言葉)
「医学と精神医学は社会的な視座なしには討論が不可能であり、社会的視座なくして技術に関する討論は全く無意味である、ということが理解されていなかったということだ」

「人間には苦悩がつきまとう。これは社会組織が立ち 入ることが全くないためなくなることはない。ある人が調子が悪くなると、何かを求める。しかし、誰も答えてくれない。(中略)また家族の中での生活が不可能となるのも、1つのアピールである。しかしこれらのアピールにどのように答えてきたか。いつも答えはきまって抑圧である。そしてこれを正当化するために精神医学はその症状論ーこれが苦悩の成文化である疾病であるーを生み出す」

(バザーリアとシュミットの対話)
シュミット
「しかし社会が自ら精神病と呼んでいる欺瞞を使うという事実だけでも結果として病気が存在することになるのでは・・」
バザーリア
「病気でなく、苦悩が存在するのです。その苦悩に新たな解決を見出すことが重要なのである」
シュミット
「彼自身、つまり患者自身も自らの病気という概念を内在化してしまっているのでしょうか、また自らの異常な行動もこの概念で刻印されてしまっているのでしょうか」
バザーリア
「もちろんです。彼が私たちのもとにくるとき、それ故に抑圧以外の何ものも求めることができません。というのは病気に対する解答も当然前もって刻印されているからであり、治療施設は治療施設で別の答えを出しうるなどとは思ってもみないからです。だが彼と私との関係、彼と他者との関係も変化してきます。そこから抑圧への願望もなくなり、現実の問題が明るみに出てきます。この問題は自らの問題であるばかりでなく、家族の問題でもあり、あらゆる他者の問題でもあるのです」(中略)


ジル・シュミットのレポート①

スイスの女性ジャーナリストのジル・シュミットが、バザーリアの精神病院解体とイタリアの民主的精神医療化について取材している。
レポートの題名は「自由こそ治療だ」 半田文穂氏 訳

「自由こそ治療だ」には、下記のような記述がある。

(ルイジ・アタナジィオ医師の言葉)
「大事なことは信頼関係をつくり上げること。つまり嘘、だまし、患者の内緒話をしないこと。そのことについて誤解をとり除くこと。患者がどうなるかを完全に明らかにすること」

信頼を作り出すこと。入院の具体的理由に答えること。共同して危機についての原因をさぐること。(中略)できるだけ入院は避ける。もし避けられない場合は、できるだけ短くする。病気を「ありきたりなもの」にしてしまうこと。つまり危機に導いた社会的、経済的原因以上には重大視しないことである。

(ピレラ医師の言葉)
「私たちは数多くの薬物をすでにふるい落とした。それは看護者あるいは患者が全体会議で副作用について不満を述べたためである」

民主的精神医療における向精神薬は、今となっては急性期の危機状態の鎮静剤として、また全体会議のための補完物としてわき役を担っているにすぎない、と格言できる。(抜粋)

(バルバラ・シュミットの言葉)
「危機状況を患者と共同して向精神薬なしで切りぬける諸前提は次の通りである。患者の落ち着きのなさにできるだけ早く気づくこと。患者が時間の経過とともに不快感を表現することを学ぶこと。そうすれば、解決策を探しだすことができるのだ。それにもかかわらず問題が生じたとき、看護者を受け入れられるように、患者が十分に信頼をもてるようにする。そしてまた、この看護者が逆に不安やうつ的にならないようにすることである」

医師・患者の民主的関係、会議において遭遇するあらゆる問題を公開で討論すること、伝統的医療とは異なる薬剤の取り扱い方、あらゆる閉鎖病棟の解放と外部への病院の解放、それらは革新的病院の内部改革の本質的特徴である。しかしながら、この変化は病院内にとどまらない。イタリアの民主的精神医療とは精神科医療の脱中心化、つまり巨大精神科病院から外部の革新的施設への重点の移動なしには考えられないであろう。(抜粋)


イタリアの精神保健改革

精神障害者の社会的入院の解消と病床数削減、地域生活へ移行を行う上で、最も必要なそして困難が予想されるのが、地域に基盤を持たせることである。つまり、地域精神保健の充実である。
現在の日本において、地域精神保健がどのような状態であるか、関係資料を随時発信していきたい。

今回は、精神科病院を撤廃し、地域精神保健サービスに力を入れてきたイタリアの施策を簡単に紹介しよう。 イタリアでは、1970年代にフランコ・バザーリアという精神科医が精神保健改革をおこす。このバザーリアを招請したのは、トリエステの県代表(日本でいう知事)ミケーレ・ザネッティである。