ANAとJALが787型機の運航停止、緊急着陸の機体電池から電解液
[東京 16日 ロイター] 全日本空輸(ANA)(9202.T: 株価, ニュース, レポート)と日本航空(JAL)(9201.T: 株価, ニュース, レポート)は16日、トラブルが相次いでいる米ボーイング(BA.N: 株価, 企業情報, レポート)787型機の運航を見合わせ、緊急点検することを決めた。
この日も、機体の異常を知らせるメッセージが出たANAの山口発東京行きが高松空港に緊急着陸。その後の調べでバッテリーから電解液が漏れていることが確認された。2011年に就航した787型機は燃費効率に優れ、ANA、JALとも同機の導入を経営計画の柱に位置付けている。
<「バッテリーに不具合の可能性」>
この日にトラブルが起きたANA692便は山口宇部空港を午前8時11分に出発。同8時30分ごろ機体に緊急事態が起きたことを示すメッセージと、機体前方の電気室で煙を感知したというメッセージが操縦室に表示された。その後、操縦室と客室で異臭がしたため、同8時47分に高松空港に緊急着陸した。ANAによると、高松空港の管制官が機体から煙が出ているのを見ている。乗客129人、乗員8人は全員脱出。乗客数人が避難の際に軽傷を負った。高松空港の滑走路は閉鎖された。
同日午前に羽田空港で会見したANA幹部によると、機体前方の電気室内には「メーンバッテリー」と呼ぶリチウムイオン電池が収納されていた。その後の調べでバッテリーが変色し、電解液が漏れていることが確認されたという。
このリチウムイオン電池はジーエス・ユアサ コーポレーション(6674.T: 株価, ニュース, レポート)製。9日に米ボストン・ローガン国際空港で発火事故が起きた日本航空(9201.T: 株価, ニュース, レポート)の787型機で使われている電池と同じものだが、GSユアサの広報担当者は緊急着陸した今回の件について「状況がわからないのでコメントできない」と語った。
国土交通省の運輸安全委員会は重大インシデントに該当するとして、調査官を高松空港に派遣した。同省は同日午後に会見を開き、煙を感知したとメッセージが出たことや、焦げ臭いという乗客の証言があったこともあり「バッテリーに不具合があった可能性がある」との認識を示した。一方、ANAの伊東信一郎社長は同日午後、記者団に対し「現時点で我々が予断をもって原因を判断することはない」と述べた。
ANAは保有する787型機を点検するため、16、17日と同型機の運航をすべて見合わせることを決めた。18日は未定。伊東社長は業績に与える影響について「現時点で申し上げられるようなデータはない」と語った。一方、787型機を7機保有するJALも、すでに米ボストンを出発している便を除き、16日は787型機の運航を停止。17日も同型機の運航を見合わせる。 続く...
「積極的な緩和」が不可欠
石破自民幹事長は、経済回復には積極的な金融緩和が不可欠とし、円相場について「過度な円高を脱出しつつある」と述べた。
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