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経済
【金曜討論】「著作隣接権」 植村八潮氏、赤松健氏
2013.1.11 07:31
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「全く同意できない。新たな権利ができれば、一つの作品について、異なる意見を主張できる権利関係者が増えることになり、法的トラブルの増加につながる。確かに、著作隣接権があれば、出版社が海賊版を見付けた際に、著作権者に連絡を取らなくても対抗策を打てることになるが、現在でも実質的な対策はそれに近い形で行われているはずだ。現行法では、著作権者が海賊版対策の訴訟に振り回されてしまうといわれるが、出版社と弁護士に代行してもらえばよいだけだ。著作隣接権が必要だという合理的な理由がない」
●漫画家の出版社離れも
--著作隣接権が制定された場合、反発はあるか
「特に漫画家には、著作隣接権に反対する人が多い。自分の書いたものから何かを勝手に奪っていくような感じだ。自力で作品を売る力がある人気漫画家の中には、既存の出版社を通さずに電子版を売り出す人が出てくるだろう」
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【プロフィル】植村八潮
うえむら・やしお 昭和31年、千葉県生まれ。56歳。東京経済大コミュニケーション学研究科博士課程修了。東京電機大出版局に勤務し、局長を経て、平成24年、専修大文学部教授に就任。出版デジタル機構社長を経て、現在は会長。専門は出版学などで、電子書籍の研究に携わってきた。
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【プロフィル】赤松健
あかまつ・けん 昭和43年、東京都生まれ。44歳。中央大文学部卒。平成5年「ひと夏のKIDSゲーム」でデビュー。代表作にともにアニメ化された「ラブひな」や「魔法先生ネギま!」。22年に絶版となった漫画やライトノベルの電子書籍配信会社「Jコミ」を立ち上げ、社長に就任。
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