経済は全治3年、消費税増税を考えるのはその先=麻生新総裁
[東京 22日 ロイター] 自民党の新総裁に就任した麻生太郎氏は22日夕、党本部で記者会見し、衆院解散・総選挙の時期に関連して「民主党が補正予算案の成立を阻止・反対するのは、常識的には考えにくい」と述べ、野党の動きをけん制した。
また同時に、緊急経済対策の裏付けとなる2008年度補正予算案の成立後をにらんでいることをにじませた。消費税引き上げに関しては、経済は全治3年で、消費税増税を考えるのはその先の議論だとの認識を示した。
<最大の使命は、景気に対する不安解消>
麻生新総裁は会見の冒頭、総裁選に入る前の10カ月間に地方を遊説した際、「景気は後退しているとの確信を強くした」と述べ、「景気に対する不安、それを解消できない政治に対する不満が多く聞かれる。これをいかに解消していくかが私の大きな使命だ」と語った。
<消費税上げは、名目2─3%成長見据えて>
その上で目先取り組むべき課題は「景気対策」と繰り返し、現行5%の消費税の税率引き上げの時期と幅については「肝心なのは、今が不景気だということを忘れてはならない」と強調した。さらに麻生新総裁は「名目成長が2%程度。3%ぐらいいけば最高。そうしたものがある程度続き、経営者が設備投資をしても大丈夫、消費者が消費をしてもいいとなってからでないと、うかつに上げると(消費税を5%に引き上げ、経済失速を招いた橋本政権の)二の舞になりかねない」と述べ、「景気がそこそこと思われるのに、全治3年と表現してきたが、3年ぐらいかかるのではないか。消費税増税を考えるのはそれから先だ」と語った。
一方で将来の消費税の姿に関しては、少子高齢化のなか、米国型の「小福祉・小負担」か、欧州型の「高福祉・高負担」かの選択を迫られており、日本の国民合意は「中福祉・中負担」だろうと指摘。「(現在の小負担から中負担への移行の)かなりの部分は消費税にいかざるを得ない」と述べ、社会保障財源としての将来の消費税引き上げの必要性は認めた。
その上で「いきなり10%か、というのが率直な実感だ。また、食料はゼロでもよい」などとも語り、消費税を引き上げる場合には段階的引き上げや複数税率が議論になるとの認識を示した。
(ロイター日本語ニュース 吉川 裕子記者)
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「積極的な緩和」が不可欠
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