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  NEVER MIND 作者:コーキ
第1章
第1章

詩片


どうせ地獄行きさ
これだけ淫蜜を吸えば
でもまさか おまえと一緒とは
最初の熱い股間は
最後まで疼いているのかい?
タガが外れて 孕んだ呪いは
墜ちたその夜にさえ
解けてはいなかったのか?
終焉に向けて 牙を剥くのか?



エピソード0 勃発



 成田発、ロンドン経由サンパウロ行き。なんでブラジル行くのにロンドン経由すんだよこの飛行機は。むちゃくちゃじゃねえか。まあどうでもいいや、ひとり三万円でブラジル行けるんだから。女と二人で六万円。
  ブラジル移住後の計画を大声で話し合いながら航空チケットを買うために観光会社へ向けて女と静岡駅前の薄ら汚い地下通路を歩いていたら、アラブ系の髭面デブが音もなくスッと近付いてきてチケットを2枚差し出し、「ブラジル、ロクマン、フタツ」と言うのでその場で交渉成立。タンジルエアラインとかいう聞き覚えのない航空会社だったが、成田に着いてロビーでタンジルタンジルと呟きながら二人でうろついていたら、この前のとは別の、やたら背の高いアラブの髭面とやたらチビのアラブの髭面二人組に両側から挟まれるようにして俺達は誘導され、とにかく機上のふたりとなった。
「小さい飛行機だね。狭苦しい。」
 生意気な。
「なんだ、おまえ飛行機乗ったことあるのかよ?」
「何度もあるよ。ないの?」
 しゃらくせえ。俺はこの飛行機がデカイんだか小さいんだか、比較するだけの経験もないというのに。
「安いんだから我慢しろよ。」
「お金あるんだからいいじゃん、ふつうのチケット買えば。」
「るせえな。あっちで贅沢な一生を過ごすのにはニッポンの円が必要なんだ。たかだか交通費に 高い金払うことはねえ。」
「まあいいけど。」
  突っ慳貪な態度。
「なんだか喧しいなあ、おい。」
 まわりの客はとにかくうるさい奴等ばかりだった。
 キーキーと金切り声でまくし立てる白人の女。凄まじい鼾をかいて眠りこけているアジア系男女。酔っ払って妙チキリンな言語で歌い出すニッポンのオヤジ。種々雑多な人種がそれぞれの言語で、バラバラに騒いでいる。
 ただひとり、まったく微動だにしない者がいた。最前部中央で、乗客の方を向き、粗末なパイプイスに腰掛けるババア。もうクッチャクチャのババアである。ユニフォームを着ていて、脇の立て看板にスチュワーデスと書いてあったので、とりあえず素性は知れたものの、サービスを始めようとか、客を座席に誘導しようとかというスチュワーデス本来の動きをまったく見せず、瞼をうっすらと開いて半眼、背筋をしゃんと伸ばし、ただ座っている。息をしているのかいないのか、肩さえ揺れない。「このババアはきっと座禅を組んで精神統一を
しているのだ、フライトに備えて。」と俺は思うことにした。
 腰を落ち着けたらヒマになってしまったので、横でマンガ雑誌を読んでいる女のスカートを捲ると、いつも通りのノーパンの股座からいつも通りの毛が覗いた。
 女は雑誌に目をやったまま舌を出して唇を舐め、脚を開いた。俺が恥毛をかき分けて指を進め、襞を擦り上げると、女はとっさに太腿を窄めて腰をビクリと揺らした。挟み込まれた俺の指先で女は見る間に潤い、蠢きながら再び脚を開いた。指を痙攣させるように動かしながら二,三度出し入れすると、その部分は皮膚に抵抗を感じなくなるほど濡れてきた。膣口を擦り上げて襞を捲りあげ、痼った蕾を押し潰しつつ小指で肛門を刺激しながら女の耳を舐めた。チロチロと舌を動かすと、女は顎を仰け反らせて細く啼くような長い息を吐いた。
「これから毎日夜も昼も、一生ヤリ続けるんだぜ。ブラジルで。」
 俺が耳元でそう囁くと、女はガクリと頭を垂れ、長い髪を揺らした。
「飛び上がったらすぐ、便所で一発ナ。」
 俺がそう言って人差し指から薬指まで三本まとめて突っ込み、グチャグチャに引っ掻き回してから引き抜くと同時、全身に地震のような揺れを感じた。ユッサユッサと前後に震えながら機体が滑走し始めたのだった。



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