詩織と一哉SP
【8】
昨日一日は、色んな事があった。
まさか、あんな事になるなんて・・・。
もちろん、期待してなかったなんて嘘になるけど、『血』の繋がった実の姉との肉体関係・・・。
色んな意味でちょっと気分がバラ色になったりブルーになったり。
結局あれから姉さんともう一度してしまい(姉さんゴメン!)、ベッドに入ったのは夜中の二時を回ってからだった。
特に、リビングのソファーの一部とクッション(これは廃棄処分するしかなかった)を汚してしまっていたので、痕跡を消すのに苦労した。
それでも朝はスッキリした目覚めで六時には目が覚めた。
それと同時に、男子特有の現象苦しむ事になる。
何故かって・・・、俺の胸の中には、姉さんが寝息をたてているから。
昨夜は姉さんの強い要望で、一緒に俺のベットで寝る事になった。
なんだかんだ、俺自信も離れ難かったから、姉さんのその申し出は有り難いものだったけど、姉さんから香る『女』が、整理現象以上を引き起こす。
(昨日、3回も出したのに・・・)
ちょっと情けないというか・・・、自分が意外とスケベなのだと知って落ち込む。
そんな俺の心境なんて気にする事もなく、姉さんが寝返りを打つ。
『ん、あいたた・・・』
姉さんが呻いた。
少し迷ったけど、眠りが浅そうなので、声をかけてみた。
『おはよ、大丈夫?』
『ん・・・・・・』
『姉さん?』
『・・・あれ?』
『どうしたの?』
一瞬キョトンとした姉さんだったけど、状況を思い出したのか『おはよう』と囁いて、頬を俺の胸元に擦り付けた。
『あーうん、下半身筋肉痛みたい・・・』
『あ〜、ソファーだったからかな?窮屈だったよね。ごめん・・・』
『そうかも・・・。うん、今度はちゃんとベッドで・・・』
姉さんは『はっ』と口を押さえると、ごにょごにょと口ごもった。
自分が大胆な事を言っているのだと気付いたんだろう。
『ぷっ、そうだね。次はベッドで・・・ね?』
次の事を姉さんが、考えてくれている事が嬉しい。
昨日の事が嘘じゃないって認識出来る。
『もう!からかって・・・』
『ごめんごめん、もう言わないから。それより、そろそろ起きて病院行く準備しないと・・・』
『あ、そうか・・・今何時?』
『七時ちょい過ぎ』
『もうそんな時間?!早く準備しなくっちゃ!』
『やっぱりタクシー呼ぶ?キツイんじゃない?』
『う〜ん、お願いしちゃおうかな・・・』
『ん、分かった。じゃ、八時着で良いよね』
『うん・・・、でも残念』
『え?何が?』
『だって、今だけなんだもん、人目を気にしないで一哉と腕組んだりして歩けるのは・・・』
『ぷっ。だからタクシー止めたの?』
思わず笑った!
何て言うか、可愛らしい。
『あーもう、また笑う』
俺は謝る代わりに、ぎゅっと姉さんを抱きしめた。
『じゃ、行きはタクシー使って、帰りは体調次第で・・・どう?』
『ん、分かった』
俺は笑って姉さんを抱き起こし、不意打ちのキスをした。
後二週間で姉さんの包帯が取れる。
待ち遠しく、長い二週間だと思ってたけど、それも今では気にならい。
だって、姉さんは…いつでも俺の手の届くところにいるのだから・・・。
詩織と一哉 終