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2006-12-29 Fri 21:55
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後は、高見にのぼりつめるだけ…。
羞恥心を感じる事で、私はいつもより、強めに刺激を得る事が出来た。 『んっ、ふっ、んっ、んっん?』 ピリピリと肌を震わせ、身体の深い場所から、脊髄を通って、脳へと快感が突き抜けていく。 (久し、ぶりだから…感じ、ちゃう) 秘唇にあてがった指は、自らの愛液によって、はしたなく汚してしまっているはずだ。 指の腹が、クリトリスの上でヌルヌルと滑らかに滑り、それに合わせて、快感が沸き上がる。 (もう少し、もう少しで逝きそう…) 私は思い切って、痛いくらい胸の蕾と、秘唇の突起を摘み上げた。 『んっ、んっ、んんん?』 お腹の奥から弾ける快楽に、身体がぎゅっと丸め、緊張させる。 まるで、沸き上がった刺激を余す事なく身体の中に溜め込むように…。 私は、一通り快楽をやり過ごすと、くわえた襟元を放した。 呼吸が乱れ、肌がシットリと汗ばんでいる。 その時、キッチンから『リンゴ?ン』と電子音が聞こえて来たか。 (うそ!?) それはキッチンに設置してあるセキュリティパネルから発せられる音で、家の門が開閉した時に鳴るように設定してある。 私は急いで髪と、パジャマの乱れを整え、濡れた指先を裾で拭った。 玄関からはカチャカチャと鍵を開ける音と、続いてカチャっと扉が開く音が聞こえた。 私はもう一度、着衣に乱れがないか確認すると、玄関に繋がる廊下に出た。 『おかえりなさい、怜司くん』 そこには、なるべく音を立てないように、そおっと、靴を脱ぐ青年の姿があった。 彼は怜司くんといって、正彦さんと、前妻との子供だ。 身長は180センチ弱、すらりとした体形は、とてもしなやかで魅力的に見える。 髪は少し長めだけど、とても良く似合っていて、黒縁の眼鏡が、整った顔立ちに知的で落ち着いたイメージを与えていた。 さぞや大学でも、女の子に人気があるだろう。 彼はこちらを見ると一瞬、悪戯を見つけられた子供のように頭を掻いた。 『ごめん、ミサトさん…、起こしちゃった?』 『ううん、大丈夫。眠れなくって…』 『そう…、父さんは?』 『…寝ちゃった』 私は努めて平静を保とうとしたけど、その落胆は怜司くんに伝わってしまったみたいだ。 『あ?、そっか…。ゴメンね、ミサトさん』 怜司くんは、まるで自分が犯した罪のように表情を曇らせた。 『え、やだ、怜司くんが謝らなくても…』 『ん?、まぁそうなんだけど、父さん昔っから、あんなだから…』 『ん、分かってた事だしね、それに、もう少ししたら、落ち着くらしいから…』 『そっか…』 『ね、怜司くん、お腹空いてない?』 『何かあるの?!』 怜司くんが一瞬表情を輝かせる。 『夕飯の残りだけど、シチューが…』 『ラッキー、実はお腹ペコペコなんだ!』 怜司くんはニカッと白い歯を見せて笑うと、鞄を置きに、私の横を通って自分の部屋に向かった。 (あ…、香水?) すれ違った時に、女性物の香水の匂いが僅かに香った。 (デート、だったのかな?) 私は、怜司くんの背中を見送ると、キッチンではなく、寝室に急いだ。 先ほどの自慰で濡らした下着がひんやり纏わり付くのが気になったからだ。 寝室で正彦さんは、怜司くんが帰ったのを気付くでもなく、眠っている。 怜司くんも、こんな思いをしていたのだろうか…。 怜司くんのお母様は、小学校の低学年に亡くなったらしい。 昔だって正彦さんは、忙しくしていたはずだ。 だからか、怜司くんは、私の一番辛いと思っている事を理解している。 結婚が決まった時に一番不安だったのは、当時高校生だった怜司くんの事だった。 それが今では心強い支えになっている。 朝夕の御飯を、独りで済まさなくてもいいだけでも助かる。 広い家の中で夫の帰りを待つだけの生活なら、私は一年もたなかったかもしれない。 私は怜司くんの母親にはなれないと思うけど、姉にならなれそうだ。 私は下着を手早く着替えると、お腹を空かせた『弟君』の元に急いだ。 自慰直後に誰かと顔を合わせる事には抵抗があるけど、怜司くんとのコミュニケーションは、いつも感じる自らに対しての『嫌悪感』を忘れる事が出来そうで、少しだけ晴れやかな気分になった。 スポンサーサイト
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