鯱鉾・姉と弟

   (一)


さる小さな町のこと、ここに結婚を控えた青年がいた
仕事から戻った彼は、屋根裏部屋の窓から
屋根の上に登り、夜空を見上げていた
腰掛ける傍らで風見鶏がからからと音を立てる
夜の街並み、石畳の上に生えた街路灯に
集る虫の群れ、窓に映る微かな屋内の明かり
そうしたものをぼんやりと眺めているのが
子供の頃から大好きだった
不意に足元の窓の奥から喧しい声が登ってきた
「レビ夫! 何してるの、何時までも
 食事を早く済ませて頂戴、片付かないから!」
姉のがなり声、腰に手を遣り
肩をいからせ、眉毛を歪めた見慣れた顔が
幻想的な町の風景に浸る脳裏に割り込む
気分を邪魔され、ややうんざりした顔になる
今夜は風の肌触りが特に心地よい晩で、この場を去るのが惜しい
「姉さんもあがってこいよ」
さっさと片付けごとを済ませたい姉に対し
屋根の上から降って来た弟の勝手な言葉
癇に触った姉は、いよいよ語気を荒げ
下から精一杯弟をなじる言葉を立ち昇らせる
屋根の上の弟は耳を軽く塞ぎ
角を生やす姉上に届かない音量で鼻歌を口ずさんでやり過ごす
やがて階下の空気が静まったのを見計らって声を降らせた

「姉さん、早くあがっておいでよ 星がすごい綺麗だよ
 あ、お茶も持ってきてくれるとやさしいな」
部屋の奥の、さらに階段の下から呆れたように離れていく足音が響く
しばらくした後、また足音が現れ、
階段をも登ってきて、ついに窓から顔を出した
どっこらせと屋根の上に上って来る姉君
弟の夕食にクッキーを加えた盆を携えて


   (二)


屋根の上で夜景を眺めながら手焼きのクッキーをぱくつく姉弟
弟がまだ幼少の頃は隣に座っていたのは母だった
普段は無愛想であまり話をしない息子もここでは何でも話してくれる
…まったく風邪を引いたらどうする気?
友達に会えなくなるわよ…
小言を言いつつも母は我が子の夜景狩りに付き合ってくれた
母が亡くなってからは、姉が屋根の上の友となった
顔も声も口調までも若い頃の母とそっくり
「まったく、風邪を引いたらどうするつもり?
 もうあんたは結婚を控えたいい大人なの
 だから、いい加減に卒業しなさいよ」
「姉さんのクッキーは美味しいや
 母さんが作ったのとまるで一緒の味だな
 つくづく親子だね」

弟は悪びれもせず、楽しげな声で一方的に話し出す
このところ仕事が忙しいやら、天気の所為やらで
二週間ぶりの屋根の上
積もった話がぺらぺらと飛び出す
こんなおしゃべりな弟は普段ならまずありえない
姉はふんふんと相槌を打ち続けた
「よく喋ったな、喉が渇いたよ」
「はい、お茶、 一気に飲むと咽るわよ」
「あと一月でここともお別れか
 いや、仕事の進み具合によっては
 これが最後になるかも」
「いいことじゃないの、
 私としては一生続くかと思ってたくらいだから
 子供じゃあるまいし、天国の母さんに笑われるわよ」
露骨に子供扱いされて、上機嫌だった弟の顔が
ややむすっとする、そしてやや剥きになった声を吐き出す
「結婚したら、今度はビリ子を付き合わせることになるわけだなあ」
ビリ子はレビ夫の幼馴染でこの度の結婚相手
姉は弟をからかうような笑みを含んだ声を上げる
「馬鹿ね、愛想つかされて離縁されるから」
一瞬沈黙しコップに注いだハーブティーを二人
同時にぐいっと飲み干す
不意に弟が一軒の家の窓を指差した
「姉さん、あの家」
「あの家がどうしたの?」
「さっきちらりと影絵が見えたんだ」
姉は沈黙したまま聞こえてないような振り
弟は構わずに喋りつづける
「男と女の絵でね、服をね、脱ぎ捨ててるような絵だった
 それで部屋の灯りも消えて、絵も消えた
 それがついさっきだから、今ごろ」
「…何、覗いてるのあんた、趣味が悪い」
真顔になってその家を見つめる姉と弟
やがて弟が自分と姉の間の敷居代わりにあった
盆を持ち上げ、反対側の離れた場所に移す
「やめなさい」
前を向いたままこぼす姉
弟は構わず、姉の脇に滑り込んで行き、その肩に手が伸びていった
「今ごろあの家のあの部屋で、度々姉さんのベッドで
 起きてることが繰り広げられてる」
「やめなさい、レビ夫
 こんな場所で、冗談にもほどがある」
「暴れると落ちるよ姉さん」
弟の腕が姉の首の裏側を通り抜け、完全にその肩を包んだ
子供の頃とは比較にならないほど逞しく
分厚くなった手が姉の細い肩を引き寄せた
さらにその顎にもう一方の手が伸びてくる
口喧しい細い顎が捕らえられる、そして弟のほうに向かされる
「クッキーだけじゃない、
 姉さん自身が欲しくて我慢ならなくなったよ
 風に乗ってくる姉さんのにおいの所為でさ」
甘ったれた声を発する弟に、姉は視線を落としたまま、
呆れたように口を結んでいた
そこへ弟は口を尖らせて顔を近づける
やがてクッキーの粉だらけの二つの口が軽く触れる、
弟は舌を出して姉の唇を摩った
呆れたような息が姉の鼻から一度抜けた後
固く結んだその唇が緩む、そして軽く舌を出した
弟の手が姉の顎から頬に移動し
姉の舌は弟の舌を巻き取るように唇の中へ迎え入れていった


   (三)


ちゅっ… んちゅぅ…
爽やかな夜風に混じる湿った口腔を摩りあう響き
姉の唇の奥でその舌に弟の舌が絡め取られ
しきりに撫ぜられていた
…ねえさんの唇の味…ねえさんの喉の香り…
ねえさんの涎の味……
姉の喉から立ち昇る濃い芳香が弟の口の中から鼻を通り、
脳まで興奮の色に染める
姉の手焼きのクッキーも好きだが、姉との接吻はより好物であった
特にクッキーとハーブティーを食べたあとで味わうそれは、
小さい頃から口喧しくとも優しかった姉の息遣いを
最も濃厚に感じられる
弟は姉の舌使いに負けじと夢中で温かい口の中を弄り返す
激しく咥えあう姉弟の唇、姉の口の美味しさに
無邪気に貪る弟に、姉の唇の奥から思わず
…んふ…と呆れた音色がこぼれた
「ふぅ…」

息苦しくなり、姉のほうから頭を引くことでようやく離れる二人の唇
やや息の荒くなった姉の唇からこぼれた涎の滓を
すっかり息を荒げた弟がしつこく舐め取る
そしてその舌は姉の首筋へと伸びていった
「れ…レビ夫」
首筋を吸われながら、さらにその体の下では
何時の間にか弟の片方の手が服の上から胸を弄っていた
このままだと、本当にこんな場所で…
「レビ夫、おねがい… せめて…家の中で…」
姉の言葉にその肩を抱く弟の手が緩むどころか、
より握力が強くなった
弟は姉の首筋をさらに強く吸い立て、服の上で
弄っていた手は、上着の裾を捲り上げた
豊かな胸が直に掌握される、
思わず、あ!と軽く鋭い声を上げてしまう姉
この場所で姉自身を欲することを、態度で示す弟であった
屋根の上で弟に押し倒される姉
弟に手でエプロンを外され、素肌を夜風に曝していく

姉の胸に罪の思いが去来する
ここで我ら姉弟はまた過ちを犯します
両親を裏切り、神の教えを踏み躙る無抵抗な私
欲望の虜と化した弟のなすがままに衣服という禁忌を守る扉が
一枚づつ剥がされていく
この私もまた欲望に抗うことの出来ぬ罪人…

からからと回る風見鶏に括り付けられた姉弟の衣服
その脇で、覚悟を決め諦めたように投げ出された
豊かな姉の肢体に、日に日に仕事で逞しさを増してきた
弟の体躯が縋り付いていた
豊満な乳房は弟の指で揉みしだかれ、その口の中で乳首が転がされる
「は… ん…」
弟の最近すっかり慣れた手つきに姉は
はしたない吐息を思わず夜風に乗せる
その潤み始めた瞳に、弟の下半身が映っていた
…この子がまた、私を見て太くさせている
私を欲しがって、あんなに太く……
父さん母さん、すいません
ごめんなさい、ギグ郎……

かつて姉には結婚を誓った相手がいた
熱烈に愛し合ったその男は兵士であり、彼女に指輪を渡して
戦場へ赴き、二度と帰ってくることはなかった
悲しみと、鎮められない火照りをある晩、弟にぶつけたのが
そもそも誤りであった
酒を飲んでいたが酔い切れていなかった
それでも一晩中弟相手に狂態を演じた
以来、姉弟の恒例行事と化した


   (四)


弟の指が姉の体を這い回る
下町の女らしからぬ、やたら縊れた腰<をなぞり、
立ち仕事に慣れた逞しさを感じさせる脚をむっちりと撫ぜ摩る
余った手が背後に回り、背筋をぞくぞくさせながら大きなお尻に至る
星明りと街路灯にぼんやり滲み上がる白い姉の尻
弟はこの尻も大好物だ
指の動きを追うように、しっとりとした肌に
濡れたトレースを描く弟の舌が姉の尻に潜り込んだ
く!と姉から声が上がる
脂の乗り切った柔肉の海の中
割れ目に沿って進む舌が、姉のひり出す皺穴を突付いたのだ
身をぞくぞくさせる姉、こちらはこの弟によって
開眼させられた場所だ
弟の溢れる好奇心によって、本来の場所と間違った振りをされて
まんまと奪われた
いまや姉は弟にその身の全てを、余さず知り尽くされて
しまっていた

弟の指も手も、やがて姉の体で最も麗しい所へ辿り着く
家族で決して弄りあってはいけない所にその手が
生い茂った毛を掻き分け、鼻をつっこむ
姉の肢体が撓み、じゅくじゅくと女を暴露していく
潤う姉を見て興奮しきった弟の欲望に眩んだ眼が
姉の肢体の上を這い登った
クッキーより、接吻より、弟の一番の好物
姉とのまぐわいを行うべく、彼は彼女に宛てがった
「…もうすぐ、結婚するのに…あんたは」
ここに及んで圧し掛かる弟の顔に、
姉は目を伏せ唇を歪めてみせる
そんな姉の広げられた脚のつけ根の濡れそぼった割れ目に
弟は己から生えた脈打つ部分をずぷりと喰らい込ませはじめた
産まれたままの姿の、いい歳した姉弟が
揃って快感のさむ肌を立てる
弟の脈打ちが姉の体内をぬずぬずと浸食していき、
姉弟の体温が絡み合っていった

やがて弟を根元まで受け入れた姉はがくんと力が抜ける
ちりちりと絡みあう姉弟の陰毛、
弟の太さに広がった姉の奥底から零れた露が
彼の陰毛をとろりと濡らす
姉は弟の体温を内側と外側でしっかりと感じ
弟は姉の湿り気を帯びた包まれ心地に
無意識に涎をその豊かな胸の上に垂れ零した

弟の腰がゆっくりと姉を貪り始める
…母さんも、ここまではしてくれなかった
彼の手放しの欲望が姉の身中で浅く、深く、
無邪気に抜き挿しを繰り広げる
ここまで甘えさせてくれる姉に
最高に心地よさげな相を浮かべる弟
「お… おおぅ… わたしは…
 なんてだめな… あねでしょう……」
この世にどれだけの数の姉弟がおり、
その中で己らのように体を許し合うまでの仲に達した者らが
どれほどいるというのだろうか
普段は道ですれ違ってさえ、互いに無視しあうほど冷淡、
近所からも余り仲の良くない姉弟で通っていた
それが、夜ともなるとこの有様
「おぅ… おふ… おお…ん」
淫らに身を交え、弟に抱かれて、獣のように吠え立てる
家族の枷を踏み外し、まぐわう姉と弟
常に後悔の念はある、それ故、普段の素っ気無さ

弟の姉の身中に甘え込む動きがより熱を帯びて来た
悔やみの念など、甘美な波が突き上げと共に身を
走り抜ける度、どうでもよくなっていく
姉の水仕事をたたえる手が、弟の首に回される
より強く、激しく、この身に甘えることを促す合図
強く抱き締めあい、淫らな行いに更ける姉と弟
弟から生えたやんちゃな効かん棒が姉の体の中で
暴れ回り、包み込む姉のさやはぷしゅぶしゅと
露を溢れさせながら慰めくすぐる
姉の豊かな体は、その全身で弟を受け止め、
このままこの子の種で身篭っても構わないという思いにすら
捕われていく
弟はその禁忌な肉体でひたすら無邪気に、
己の欲望を扱き立てる

姉と弟の腰が打ち付けあう音色が
ぱしゅっ!ぱしゅっ!と澄んだ夜空にいよいよ大きく響き渡っていく
全身全霊で過剰な姉弟愛に溺れる二人
風見鶏の脇でわだかまる、重なって蠢く影が上り詰めていく
「く! く! くうぅ〜!」

すっかり全身を紅潮させ、いまや狂おしく腰を波打たせる
姉の上で弟はくぐもった息を発した
姉の体に寸分余さず甘え込み、
その一番深い位置で欲望の先端を開いた
姉の体内で熱いどくどく感が迸る
「あ! ひああぁぁぁ!」
夜空にはしたないつんざきを轟かせる姉
己の子宮が弟の精濁でどろどろにされ、
雄の臭いが腹の底に充満する感触を覚え、
産道を挿した弟自身をさらに強く搾りあげた
弟はさらに勢いよく姉の潤みきった子宮めがけ
濃ゆいやつを迸らせる
男女の極みを曝け出す姉弟
かくかくぶるぶる、密着した肌を快感で震わし、
綻び切った顔で二人、姉弟間の禁断の植え付ける戦慄きを
愉しむのだった


   (五)


「姉さん… 寒くないかい?」
一戦終え、いまだ余韻に眼が虚ろな弟が尋ねる

「平気よ… 暑いくらい」
四つん這いで尻を高く上げ、体内から溢れ落ちる泡立ちを
乾かすように風に当てる姉、その下がった頭は弟の股間にあった

低く嗚咽を漏らしながら夜空を見上げる弟
うぐ… ぴちゃ… と己の腰の辺りで卑猥な音色が鳴り響く
見ていなくとも姉の表情はわかる
普段小言を喧しく零す口はいやらしげに窄まり
弟のやんちゃな部分をすっぽり咥え込んでいた
姉の頭が上下に蠢き、弟を扱き慰める
甘い吐息に含み包まれた中で
姉の舌が先ほどの汚れを掬い取り、新たな元気を送り込む
…姉さんの口…最高だ……
再び逞しさを増していく弟の分身、
亀頭の先が姉の口を圧迫しはじめ、
内側から頬をその形に膨らませる
姉はそれをさらに強く頬張り、くきゅくきゅと愛で立てて、
立派に育て上げるのだった
弟は夜空に尻を突き出した姉の艶かしい
肢体を眺めながら、一層太く逞しく欲望を膨らませていく
弟の見ている場所からだと姉の突き出た尻の
すぐ後ろに風見鶏が回っている
まるで姉の尻に風見鶏が生えているかのように見えて妙な光景
「…姉さん、今度は尻をこっちに向けなよ」
姉は弟のものを咥えたまま、器用に体を回す
陰茎が姉の口の中で捩れるような痛痒さに耐え
回ってきた姉の下半身を弟の腕が捕まえた
脚を掴んで逆さに吊り上げられる姉の腰
弟の面前に彼女の尻が突き出された
舌なめずりする弟、目の前の上手そうな美尻に被りつく
ん!くぅ… 相変わらず弟のものを含んだ口が
濃ゆい吐息を漏らし、弟のものを一層涎でたらだらにした
夜の町、連なる屋根の中で一つだけ、妙なオブジェの立った屋根がある
胡座をかいてしゃがみこんだ男の影に斜めに逆さにかかる女の影
男の肩から、ぴんと女の艶かしい脚が夜空を突く
姉の尻に潜り込んで、臭い立つ穴をしきりにほぐす弟の鼻と口
ぴくっ ぴく、と形のいい大きな尻が揺れ
ふっ ふぅん…という甘い息が染み出る

弟の顔が尻から離れると同時に、姉の顔も咥えていたものを放す
互いの口と股間はどろどろで熱くみなぎる
姉は尻を高く掲げたまま待ち、
弟も屋根に手をつき、姉の尻のすぐ背後で
姉に尻を向ける格好で、なんと逆立ちの姿勢となる
ちらりと弟の頭が姉の尻を見る
支えてあげるから、かまわずもたれかけに
いらっしゃい…と姉の尻が語っていた
弟は姉のふくらはぎを見ながら、その逞しい尻めがけて
持ち上げた腰をもたせていく
必然的に彼の股間に生えたものは、彼女の真上を向いた
尻の穴に嵌るように蓋をする
ふっ!と抜けるような息が二人同時にこぼれる
弟の腰は姉の尻にますますもたせかけ、乗せられていく
姉の口でたっぷりと愛でられ育てられた固い効かん棒は
姉の肛門にぐぷりと嵌り込み
そのはらわたに己が型の栓をしていった
異様な形態で肛門でのまぐわいに至る姉と弟
夜の町に肉のシャチホコが建ったのである

弟は知っていた
姉と義兄となるはずだった男が、この異様な体位で
交わりを繰り広げていたのを
義兄の逞しい肉体が、腕立てをしながら
姉に悦びを与えている姿を覗き見ていた
弟は腕立てを開始する
振動が姉の体に伝わり、ふくらはぎがぴくぴくと震え始める
…姉さん、感じてる
姉の柔らかい尻を弟の固い腰が真上から叩く
「あ… あぅ… あ…」
尻の穴を深く栓をされる度、姉の善がり声が噴出される
弟もまた、いよいよ香り立つ姉の太ももと
ふくらはぎのすぐ背後で、己自身を強烈に絞る姉の肛膣に
快感の歯軋りを立てていた
…姉さんの尻に…食い…ちぎられそう…だ
夜空に掲げた女の尻が男の物をひり出しては再び栓をされる
弟は不自然な姿勢でいることなど忘れて姉の尻を掘った
快感の火花がぱちぱちと眼の中で弾ける
姉も弟も舌を垂らし、屋根の上に涎の染みを広げる
ことに姉はすっかり乱れて、淫らな息を夜の町に垂れ流していた
「あ… あは… あぁ…ん」

彼女の喘ぎに合わせて収縮を激しく繰り返すその肛門
すっかり嵌り込んだ弟の性具と化して、彼をいよいよ
限界までいざなった
…でる! …もぉ、でる!
弟は姉の直腸に熱い濁液を噴出させた
すっかり弟の形に緩くなった腸壁に彼の精が染み込んでいく
「ん! ふむぅぅ…!」
同時に姉も深い絶頂を覚え、うっとりとした表情を浮かべていた


   (六)


力が抜け崩れていくシャチホコ
二人の流した液でじっとり湿った屋根の一角にべちゃんと潰れる
頭を逆さに向けて交差した姿勢で余韻の息をつく姉弟
弟の分身はいまだ姉の尻にささったまま
「姉さん…なんだかむずむずするよ」
「え? 何が…」
姉のけだるい問いに答えず弟は、彼女の尻の上に
置いたままの腰をぶるっと震わせた
じょ… じょろじょろじょろぉ〜…
姉の尻の中で弾ける生温かい水圧
朦朧としていた姉の眼が、己の尻の中で渦巻くような異様な感覚が
広がるにつけ見開かれていく
「な… なな! ちょっ、ちょっとレビ夫!」
弟は悠長に姉の直腸で小便していた
く! くぅ…
凄まじい液量に姉の下腹はぐるぐると鳴り
思わず食い縛った歯もぎりぎりと鳴る

やがて放尿は収まり、姉がふん!と息を吐いたのにつられ、
すっかり萎れた弟から生えた物がたっぷり尻の中に
吐き出された液体もろとも、びゅっ!とひり出された
「なんてことしてくれるの、あんたは
 姉の尻を便器代わりにするとは!」
むくりと起き上がり、弟の頭を跨ぐ
夜の屋根に踏ん張った姿態の女のシャチホコが再び立った
頭上の妙な雰囲気にすっかり脱力した
弟の顔が仰向けにひっくり返ってきた鼻のすぐ上に、姉の股間
そこから突如水しぶきが噴出した
「うぉわ! おごっぷぷ!」
粗相のお仕置きを食らわされる弟
姉の尻と股間から滴る己の吐き出した
液混じりの黄金水が容赦なく顔に浴びせられる
「すぐに調子付く罰よ、レビ夫
 …く… 下腹のぐるぐるが止まらない…
 大きいほうも催してきちゃった
 案外、便秘に効くのかも…」


(終わり)


幻想系成年文書処 四然堂
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