愛コンプレックス

さつあい・こんぷれっくす。
私は「キルコン」と略してます(w




このお話は「烈光の闘神」時系列です。




龍球(リュウキュウ)

殺コン世界の舞台となる星。
我々の住む「地球」とは違う歴史を歩み、違う発展を遂げた世界。
科学と化石燃料の変わりに、呪術と精霊力で人々の生活は支えられている。




戦屋(イクサヤ)

この世界で傭兵のことをこう呼称する。




闘神(トウジン)
この世界の護り手である人物のこと。

初代は「烈光の闘神・闇緋(レッコウノトウジン・クラヒ)」
彼は人の身でありながら神域に到達し、
精霊種から決戦兵装・魂逆を贈られ、
「世界を滅ぼすわざわい」を、実に三度も退けるという偉業を達成した。

闇緋の死後、決戦兵装・魂逆に選定された者が「闘神」の銘と使命を受け継ぎ、
世界の護り手、兼、朧月庵序列第一位として君臨してきた。

余談だが「烈光の闘神時系列」「不敗の戦神時系列」共通ルールとして
「神域に到達すると右目が金色に変化する」
というものがある。
この変化を「神化(シンカ)」とよび、神化後の人を「人神(ヒトガミ)」と呼称する。
今でこそ尊ばれる人神だが、闇緋の若い頃は忌み嫌われていた。

闘神に選定される以前から黄金瞳を有するもの(人神である者)もいるが、
闘神に選定される=問答無用で神化するため、
闘神は皆、オッドアイである。

ちなみに、闇緋は右が金、左が真紅。
凌斬は同じく右が金で、左は漆黒。




決戦兵装・魂逆(ケッセンヘイソウ・タマサカ)
初代である、烈光の闘神・闇緋(クラヒ)が、精霊より贈られた兵装。
闇緋の死後は、次の闘神を魂逆が指名することにより、闘神の銘と決戦兵装が受け継がれてきた。
兵装といっても形を持たないモノなので、各闘神の「武器」のイメージで変化する。
各闘神とも、先代が保有していた時のイメージがあるため、細身の長刀の姿をとることが多い。
(つまり、闇緋の次の闘神は、闇緋が保有していた時の長刀状態の魂逆を見ているので、
その影響を受け、そのまた次の闘神も先代の影響を受け…と、イメージが代々受け継がれている)

能力は「強制逆行」
物や術式が「結びついて形を成す」流れを、強制的に逆行させる、
つまり「ほどいてバラして無効化させる」ため、理論上、壊せないものは無い。
これを保有した途端、その人物はこの世界の「最強」となる、というくらい強力無比な兵装。

CDPのノイフロシュティアの「封禁呪語」術式制御能力と酷似しているが、
ノイフロシュティアがほどくだけでなく紡ぐ事も出来るのに対し、魂逆はほどくことしか出来ない。
また、同じくCDPのヤマトの「殺戮専制」とも似通っているが、あっちは「壊す」でこっちは「ほどく」である。




戦部(イクサベ)
戦屋の派遣会社。ギルド。
大陸に100ほど存在し、特に有名なものを四大戦部と呼称する。




四大戦部
刃物使いばかりを集めた白刃堂(ハクジンドウ)
術者ばかりを集めた零呪院(レイジュイン)
最も悪名高い硬堅牢(コウケンロウ)
最も誉れ高い朧月庵(ロウゲツアン)
以上4つを以って四大戦部と呼称する。




朧月庵(ロウゲツアン)
大陸で最も有名でレベルの高い戦部。
戦屋のレベルも高ければ依頼料も高い。
此処に在籍を許されるということは、戦屋にとって最高の名誉である。
世界の護り手である闘神は、代々此処に在籍するしきたり。
此処の序列一位は当然のことながら代々闘神で、現在は闘神・凌斬(リョウザン)。
創設者は「真昼」と「深夜」という双子の姉弟で、二人は初代闘神・闇緋をよく助けた功績から、
「闘神を擁する」戦部の運営を委任された。
その為、代々の主人は女性の場合「真昼」を、男性の場合「深夜」を襲名する。



零呪院(レイジュイン)
大陸最高峰の術師ばかりを集めた戦部。
創設者にして、主人、兼・序列第一位は、
初代闘神・闇緋の軍に在籍した3大魔女の最後の一人である、大魔女・宵闇の方。
零呪院は戦部としての面と同時に、宵闇の方の私設研究機関の面を持つ。
代々の闘神の右腕として、幾多の戦場に臨んできた宵闇の方の、
彼女なりの「世界を滅ぼすわざわい」への備えであり、
質の高い術者の育成と、龍球世界における術式理論の底上げを図っている。
ここの序列二位は、現在、礼仁のために空席となっている。



白刃堂(ハクジンドウ)
刃物使いばかりが所属する、刃物使い専門の戦部。
本来、鋼志は硬堅牢でも朧月庵でもなく、此処に所属すべき戦屋だ、との意見もある。
4大戦部の中で最も大所帯。
ここには、絶海の孤島に住む少数民族・青海波の代表が、
秘宝の「哭龍牙」を持って、代々出稼ぎに来ている。
現在の序列第一位、兼・青海波の代表は海威(カイイ)という好漢。
「哭龍牙」の特殊性から、本来は白刃堂ではなく、零呪院に所属すべき戦屋では、との意見は黙殺されている。


硬堅牢(コウケンロウ)
人を買い集め、死んだ方がましな訓練を課し、
中途脱落者は容赦なく切り捨て、
生き残った者を、人を殺す道具として使い潰す。
大陸で最も悪名高い戦部。
由悠が両親に売り飛ばされ、鋼志が自分自身を売り飛ばしたところ。
四大戦部に挙げられるだけの、戦屋のレベルはあるが、
悪名の方が知れ渡っている。
鋼志は元・序列一位だった。
鋼志の後は「虐殺帝」と呼ばれる謎の甲冑騎士が序列一位とを守っている。
…最も、その「中身」がずっと同一人物なのかは不明なのだが…。


序列
それぞれの戦部では、最低十位まで、擁する戦屋のランク付けをする。
当然のことながら、序列上位の戦屋は、その高い能力に見合った対価で以って雇うことになる。










主人公ペアの刃の方・鋼志(コウシ)

朧月庵(ロウゲツアン)序列第三位の戦屋で刃物使い。
元・硬堅牢(コウケンロウ)序列第一位。(自分自身を高額で売り飛ばした)
大陸の極東、高砂国・帝都官僚40人殺しの犯人。(現役の高額賞金首)
元・獅子門(シシカド)領の領主。
領主と一緒に人間を辞めて、今は只の刃物・・・なのだが何故か由悠だけは気に障る。
由悠に心臓を一回撃たれて死にかけた事がある。

鋼志の戦闘方法は
ほぼ鉈と言っていい大振りのナイフをメインに、
薄く細身のナイフをサブとして、ナイフをとっかえひっかえしながらの近接戦と
投擲用のクナイ十数本による中距離戦。

特殊能力(?)として鋼志の扱う刃物は
「人や物をどれだけ切っても刃毀れせず、切れ味が衰えない」
「投げた刃物は必ず中る」

という原因も理屈も不明の特性を帯びる。
他の4大戦部序列3位以上に比べ、やや派手さに欠ける戦闘能力だが,
下手に大規模、大出力の戦闘能力を誇る他の戦屋に比べ、戦場を選ばない汎用性の高さが長所である。

…しかし、いくらでも斬り続けられ、精緻な投擲を可能とする能力より、
20kg近い刃物を身に付けて戦場を走り回れる「力」と「持久力」を褒め称えるべきだろう。

余談だが、鋼志の吸う煙草は彼の出身地である極東で作られている銘柄で、鋼志はこれしか吸わない。
なので、本体より高い運送費を払ってわざわざ取り寄せている。
酒は煙草ほどのこだわりは無いが、極東産の良い酒をちびちび呑むのが彼の贅沢。





主人公ペアの弾丸の方・由悠(ユウユ)


朧月庵の戦屋。
2丁拳銃使い・・・というよりも風の弾丸使い。
元・硬堅牢の戦屋(風使いの能力が珍しいので、親に売り飛ばされた)
持ってる銃は能力とイメージを固定する為の物で、弾は入っていない。
硬堅牢育ちなので、多少性格が歪んでる…ただし鋼志よりはまし。
鋼志が人間辞めた理由が、自分じゃないのがどーしても気に食わない。
鋼志に斬られて瀕死の重症2回、細かい傷は数知れず。
男の子ですよ、念のため。

硬堅牢での劣悪な生育環境(成長期の栄養失調)により、未だにいくら食べても太らない。
(この辺はさすがの鋼志も気にしているようだ)
その上、綺麗な容姿をしているため、女の子にしか見られない。
しかも、何故か「だぼだぼの服」を着るのが好きらしく、その華奢な体躯を強調するのだから、どうしようもない。

繰り返しになるが、由悠の特殊能力は風の精霊への高い干渉力。
育成の難しい(風は目に見えないので)風使いの訓練に際し、由悠の教官が考えたのが
銃によりイメージを固定し、圧縮した空気を高速で撃ち出す手法。
更に、由悠は弾数や威力、方向等も細かく調節ができるので、かなり取り回しのいいユニットである。
欠点は近接の弱さと持久力の無さだが、後衛としては非常に優秀。

朧月庵では序列を持たず、鋼志のオプション扱いである。
(なので、由悠の「部屋」は鋼志の部屋の一部を衝立で仕切ったスペース)

余談だが、由悠の嗜好品は甘いもので、棒付の飴をよくくわえている。
彼のごくささやかな「おこづかい」は、ほぼおやつに消えているようだ。
さすがに不憫に思うのか、凌斬や鋼志の知人の戦屋が、よくお土産のお菓子を差し入れてくれている。





闘神・凌斬(リョウザン)


この時代の闘神で、朧月庵の序列第一位。
つまり、現在の決戦兵装・魂逆(タマサカ)の保有者。
昔はそれはそれは荒れていたらしいが、先代闘神に拾われて更生した…らしい(本人談)
(ちなみに「凌斬」という名前は先代闘神・征馬(セイバ)がつけたもの)
自身が「拾われたことで救われた」為か、拾い癖があり、さまざまな人物を拾って帰って来てしまう。
(鋼志と由悠も拾われたクチである)
が、彼が養父となって面倒をみたのは、後にも先にも礼仁ひとり。
(「礼仁」の名は凌斬がつけた)

本人曰く「頭脳労働に向いていない」タイプ。
アレコレ考えるよりも、とりあえず行動し、ぶつかってみてから考える方らしい。
しかし、ぶつかってからの的確、かつ迅速な対応は見事としか言いようが無く、
誰も凌斬を頭脳労働に向いていないとは思っていない。

歴代闘神の例に漏れずオッドアイ。
そして、同じく歴代闘神の例に漏れず「決戦兵装・魂逆」無しでも十分強い。
人神化している凌斬は年齢のとり方も緩やかになっており、
ぱっと見は、30歳後半くらい?のオジサンであるが、実年齢は50歳を軽く超えている。

更に、歴代闘神の例に漏れず、たらし。
特に凌斬は女性に物凄くモテる人で、若いときは勿論、オジサンの今でも彼にメロメロになる女性が絶えない。

余談だが、凌斬の羽織(?)は、常に袖は通さず、肩に引っ掛けてるだけ。
なのに、何故か戦闘中でも落ちないらしい…一説にはアレは宵闇の方のお手製で、落ちない呪いがかかってるとか。





礼仁(レイジ)
レイジン、ではなくレイジ。
朧月庵の序列第二位。
優秀な棒使いであるが、術師としてのほうがもっと優秀。
おまけに、医師・薬師でもある。
どの位優秀かというと、零呪院の序列第一位である、大魔女・宵闇の方が
「この世界の術者2位、つまり私の次は礼仁だ」
という理由で、零呪院の序列二位を礼仁のために開けているくらい。

「自称・頭脳労働不向き」な凌斬のブレイン的立場にあり、
好漢だけど策士、いわゆる「高久総一郎」タイプ。
術師の欠点である「近接の弱さ」「術式発動までのタイムラグ」をカバーする役割を、
他の戦屋に求めず、自分自身を棒術の達人とすることで補った、
近接・中距離・遠距離をカバーし、白兵戦も術式戦もこなす、一人兵団。

金髪碧眼、白磁の肌にスラリとした体躯、と計算されつくしたような整った容姿を持つ。
おまけに頭脳も優秀で、龍球学術院の全課程+α(通常16年かかる)をわずか6年で履修した天才。

天賦の才に恵まれた礼仁だが、凌斬に仕事先で見出されてお持ち帰りされるまで、悲惨な幼年期を過ごしている。
凌斬曰く
「劣悪な環境で育ったと言えば、俺もそうだし、由悠だって相当だが、
非・人道的というなら、礼仁のそれがダントツで、アレは本当に地獄だった」

拾われてからは、凌斬の庇護の下、宵闇の方の薫陶を受け、龍球学術院で学ぶと言う破格の待遇を得た。
しかし、凌斬を養父として育ちゃったのは、彼にとって良かったのか悪かったのか…。

作中の「左腕」に「相談」の真意については本編にて。
要するに、礼仁の最大のウィークポイントであり、凌斬に触られると余計に弱いトコだと思っていただければ。




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