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最終更新:2013年1月17日(木) 19時32分

日本が誇る“リチウムイオン電池”に何が?

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 ボーイング787をめぐるトラブルは、ついに日米の航空当局が運航停止を指示する事態に発展しました。原因とみられているのは日本が世界に誇る技術、リチウムイオン電池です。いったい何が起きたのでしょうか?

 ボーイング787の運航停止を受け、17日も国内線・国際線合わせて38便の欠航が出ました。

 「ちょっと困りましたよね。最新鋭の機種だったはずなのに、トラブルが続いているので」(B787に乗る予定だった人)

 16日に機内で異臭が発生するなどして、高松空港に緊急着陸したボーイング787。17日も運輸安全委員会の事故調査官らによる機体の調査が行われました。

 トラブルの原因とみられているのは、「リチウムイオンバッテリー」です。これまでにケースが黒く変色し、中の電解液が漏れていたことが確認されています。過熱により、バッテリーに不具合が生じた可能性が高いとみられています。

 これは今月7日、アメリカのボストンで日航機から出火した際に見つかった同型のバッテリーです。黒く焦げているのが分かります。

 「リチウムイオンバッテリー」は、22年前にソニーが世界で初めて発売。小型で大容量の電気がためられることから技術革新が進み、今では携帯電話やパソコン、電気自動車にも使われています。「日本が世界に誇る技術」とも言われる一方で・・・

 突然、爆発したノートパソコン。リチウムイオンバッテリーから火が出たとみられています。

 これは携帯電話を誤って充電したときの実験映像です。このように発火や過熱が起きやすいともされています。

 ボーイング787のリチウムイオンバッテリーは、京都市の「GSユアサ」が作ったものです。「航空機の通常の使用環境より、はるかに厳しい環境にも耐えられる」としていました。

 「(リチウムイオンは)非常に軽い電池が作りやすい。鉛より圧倒的に長い寿命のリチウムイオンも作られるよう$K$J$C$F$$$k!W!J
 こう話すのは、GSユアサとバッテリーの共同研究をしていた金村教授です。

 「本来、電池が異常な状態になったら、必ず外部回路を使って異常になった電池をシャットダウンするシステムだが、それが機能しなければ燃える可能性がある」(首都大学東京〔エネルギー化学〕 金村聖志 教授)

 ボーイング787の運航停止を指示したアメリカ連邦航空局は、他の国の当局にも同様の通達を送っていて、世界の航空8社が所有するおよそ50機の787は、すべて運航停止となる見通しです。(17日17:03)

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