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森信茂樹の目覚めよ!納税者
【第42回】 2013年1月17日
著者・コラム紹介バックナンバー
森信茂樹 [中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員]

安倍政権が女性の社会進出を支援するなら
配偶者控除を廃止すべきではないか

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 そこで、次のように対応してはどうか。

 配偶者控除を廃止すると、6000億円程度の財源が得られる。これを、子育て家庭への現金給付や保育園の整備などの現物給付の充実に向けるのである。そのような政策パッケージなら、専業主婦層の反発も軽減され、政治も乗りやすいだろう。

 2013年度税制改正が山場にさしかかる。内閣府の世論調査では、専業主婦を望む女性が増えているという。何らかの政策をとらなければ、女性パワーの活用など絵にかいたモチだ。高齢化の先頭を走るわが国が、女性労働力の活用と子育て支援策のパッケージ政策により少子化を反転させる政策を作り、急速に高齢化社会を迎えるアジア諸国のモデルとなる。このような気概で政策を運営してほしいものだ。

世論調査

質問1 配偶者控除を廃止すべきだと思いますか?




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森信茂樹 [中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員]

(もりのぶ しげき)法学博士。東京財団上席研究員、政府税制調査会専門家委員会特別委員。1973年京都大学法学部卒業後、大蔵省入省、主税局総務課長、東京税関長、2004年プリンストン大学で教鞭をとり、財務省財務総合研究所長を最後に退官。その間大阪大学教授、東京大学客員教授。主な著書に、『日本の税制 何が問題か』(岩波書店)『どうなる?どうする!共通番号』(共著、日本経済新聞出版社)『給付つき税額控除』(共著、中央経済社)『抜本的税制改革と消費税』(大蔵財務協会)『日本が生まれ変わる税制改革』(中公新書)など。
 

 


森信茂樹の目覚めよ!納税者

税と社会保障の一体改革は、政治の大テーマとなりつつある。そもそも税・社会保障の形は、国のかたちそのものである。財務省出身で税理論、実務ともに知り抜いた筆者が、独自の視点で、財政、税制、それに関わる政治の動きを、批判的・建設的に評論し、政策提言を行う。

「森信茂樹の目覚めよ!納税者」

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